出場決定に喜ぶ履正社の選手=大阪府豊中市の履正社高校(榎本雅弘撮影) 第95回選抜高校野球大会(3月18日開幕予定・甲子園)の出場校を決める選考委員会が27日、大阪市内で開かれ、履正社(大阪)が3年ぶり10度目の出場を決めた。チームの合言葉は「打倒・大阪桐蔭」。プロ注目の西稜太外野手(2年)を中心に選抜初制覇を目指す。
履正社・西稜太=大阪府豊中市の履正社高校(撮影・榎本雅弘)寒風が吹くグラウンドに履正社ナインの笑顔の花が咲いた。一度もたどり着いていない春の頂点への挑戦権を得た。プロ注目の西が打線を引っ張っていく。
「小さい頃から甲子園でプレーするのが夢だった。日本一に向けて全力で戦っていきたい」
チームは昨秋の近畿大会8強ながら、高い攻撃力や粘り強い守備などが評価された。打線の中心が1番の西だ。高校通算15本塁打の長打力に加え、50メートル6秒3の足も武器。「自分の長所を生かして、チームを勢いづけるプレーをしたい」と意気込んだ。
「『打倒・桐蔭』と言い続けてきた。一戦一戦しっかり戦って、最後は大阪桐蔭に勝ちたい」
西が誓ったように、チームの合言葉は「打倒・大阪桐蔭」だ。昨年の選抜王者の大阪桐蔭も出場。ともに順調に勝ち進めば決勝で当たることになる。これまで何度もはね返されてきた同じ大阪の強力なライバル。公式戦では2020年秋から5連敗中で、西が入学してから4連敗している。
立ちふさがってきたのがエース左腕・前田悠伍投手(2年)。キレのある直球に多彩な変化球に手を焼いてきた履正社打線だが、西は好相性を誇る。対戦4試合、15打数6安打で打率・400。最近3試合はいずれも2安打を放っている〝前田キラー〟が、好投手攻略の突破口を開く。
履正社・多田晃監督=大阪府豊中市の履正社高校(撮影・榎本雅弘)19年夏を制するなど甲子園に13度導いた岡田龍生監督(現東洋大姫路監督)のあとを継ぎ、昨年4月から率いるOBの多田晃監督(44)は「積極的なバッティングで得点力が高い。大きいゲームに強いので期待している」と西をキーマンに挙げた。
「前田投手のボールに振り負けないように、ウエートや素振りでパワーをつけてスイングスピードを上げてきた」と西。全国のライバルも大阪桐蔭も蹴散らし、紫紺の優勝旗を持ち帰る。(白石大地)
■西 稜太(にし・りょうた) 2005(平成17)年5月13日生まれ、17歳。鳥取県出身。小学1年から美保少年野球クラブで野球を始める。鳥取南中では鳥取中央シニアに所属。履正社高では1年秋からベンチ入り。高校通算15本塁打。右投げ左打ち。174センチ、78キロ。
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