昨年の大阪国際では鮮烈な走りで2位に入った上杉。攻めの走りで優勝を目指す 「第42回大阪国際女子マラソン」(大阪・ヤンマーフィールド長居発着)が29日に開催される。注目の選手を紹介する連載「ヒロインへ舞い上がれ」(全4回)の第3回は、前回大会で攻めの走りを見せ2位に躍進した上杉真穂(27)=スターツ=だ。2024年パリ五輪へ向け、磨き上げた勝負強さを見せつける。
前回の大阪国際で2位に入った上杉の口から、堂々たる優勝宣言が飛び出した。「出るからには勝ちたい。競り合いも意識したレースや練習もできてきた」。3年連続出場となる浪速路。1年ごとに成長を実感しているからこそ、言葉の端々に自信をのぞかせる。
前回大会は序盤から2時間20分切りを目指してハイペースで飛び出した松田瑞生(ダイハツ)に25キロ過ぎまで食らいついた。後半は離されたが、果敢に攻めた結果は自己ベストを2分23秒も更新する好記録につながった。「攻め切ってよかったし、いろんな方に見てもらえるようになった。大きなターニングポイントになった」。さらなる飛躍のための足掛かりとなった。
昨年は7月のホクレン・ディスタンスチャレンジでも3000メートル、5000メートル、1万メートルと次々に自己ベストを更新。「マラソンもトラックもようやく走ることを楽しめるようになってきたのかな」と充実の笑顔を浮かべる。
11月にはニューヨークシティー・マラソンで海外の強豪に挑戦。2時間32分56秒の17位だったが「世界のトップレベルと走って『勝負するってこういうことなんだ』というのがちょっと分かった」。大きな経験を積み、日の丸への思いも一段と強くなった。
すでに今年10月に開催される「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の切符は獲得していて、2024年パリ五輪が最大の目標。「まだ絶対的に(日本代表の)3人に入れるとは思っていない」と冷静に話しながらも「同じくらいの力の選手が多くいると思うし、誰がいってもおかしくない。チャンスはあると思っている」と熱い思いを口にする。
この記事をシェアする