■1月26日 今頃やっとか、と思った人も多かったろう。昨年7月の参院選で当選以来、一度も登院していないNHK党のガーシー(本名・東谷義和)議員に対し今後も欠席が続けば懲罰を科す方針が自民、立民両党で一致した。野党間でも異論はなく早ければ2月上旬に懲罰委員会が開かれる可能性があるという。
正当な理由なく召集日から7日以内に出席しない議員は、議長の出す「招状」を受け取った日から7日以内に出席しない場合懲罰委員会に付される。そんな国会法などガーシー議員にとってはあってなきが如しだろうが。世間の常識とはあまりにもかけ離れた言動は国会や国民を愚弄しているといわれても仕方ない。
懲罰委にかけられても一番重い「除名」はハードルが高く参院では70年以上前の1件だけ。後は「戒告」「陳謝」「登院停止」だが、もともと登院してない人を登院停止にしても意味はない。生ぬるい罰則の割には時間がかかりすぎる。重病でもない限り正当な理由なく7日も出なかったら自動的に失職にすべきではないか。
今頃やっと、は細田博之衆院議長にもいえる。深い付き合いがあるとされた旧統一教会との関係を説明したが、衆院議院運営委のメンバーと議長公邸という密室で懇談形式で質問に答えたもの。説明責任を果たしたとは到底いえない。これで与党は幕引きにするようだが、こんな茶番を許した野党も情けない。
政治の質の低下は歯止めが利かない。若者が闇バイトで手を出す強盗事件の多発など世の中も麻のごとく乱れている。範を垂れるべき政治家のいい加減さが、若者も世の中をなめてしまう理由にもされかねない。だからこそエリを正してもらいたい。(今村忠)
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