スムーズに鳴尾浜球場に到着した遊軍・上阪正人が取材したのは、ドラフト5位・戸井零士内野手(天理高)。昨夏の奈良県大会決勝。コロナ禍で主力が出場できなかった相手校を配慮して、大ハシャギしなかった、あの話題で表彰された。
「相手をリスペクトする精神が共感を呼ぶんでしょうね。智弁和歌山高を長く率いた高嶋仁監督もリスペクトの持ち主で、優勝してもそのグラウンド内では胴上げは行わなかった。その精神を受け継いだ、現在の中谷仁監督も、2年前の夏に優勝した時、胴上げしていませんでしたから」
上阪記者の話を聞きながら、そういえばあの人もリスペクトを連呼していたと気が付いた。
吉田さんが、岡田監督を絶賛していたのだ。
「岡田はスローガンの中に、リスペクトという言葉を使ってくれています。『A・R・E』のRはリスペクトでした。こんなうれしいことはないです。そういうことに欠ける球団でしたから。伝統はつないでいかないと。それが歴史です」
もっとOBを歴史館のイベントに使ってほしいと主張したそうだ。みんなで戦っていこうという熱い思いだ。
「このチームには伝統がない。ただ、古いだけや」
そう言い続けておられるタイガースOBを何人も知っている。そんなOBたちの不満を、岡田監督が「リスペクト」という1フレーズで、一気にプラス方向へ流れを変えたような気がしてならない。どうやら、オールタイガース、一丸ムードが漂ってきたゾ。
ただ、この原稿、後輩から全くリスペクトされていない記者が書いているので、説得力は欠けている。それは分かっています。お許しを。
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