記念講演に出席した(左から)帝拳ジムの浜田剛史代表、村田諒太、プレゼンターの1988年ソウル五輪柔道女子52キロ級銅メダリストの山口香さん プロボクシング前WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(37)=帝拳=が25日、東京・渋谷区のハクジュホールで日本スポーツ学会大賞受賞記念講演を行い、「もうボクシングを続けるなんてことは現実的に考えて、考えられない状況」と話す一方、講演後の取材では「結論は自分だけでは出せない。求められればそこで働くだけ」と揺れる心境を明かした。
村田は昨年4月にさいたまスーパーアリーナで2団体王座統一戦を闘い、IBF王者だったゲンナジー・ゴロフキン(40)=カザフスタン=に9回TKO負け。進退を保留している。
2022年度の第13回大賞を受賞したのは村田と帝拳ジムおよび帝拳プロモーション。村田は12年ロンドン五輪同級の金メダリストとなり、プロでも世界王座を獲得したこと、帝拳ジムは現存する日本で最も古いボクシングジムとして数々の名選手を育成・輩出したこと、同プロモーションはフェアなプロモーターとして世界的に認知されるようになり、海外での日本のボクシングの信頼と評価を高めたことが理由。村田の対戦相手に対する敬意に満ちた対応も評価の対象となった。
元WBC世界スーバーライト級王者で、帝拳ジムの浜田剛史代表(62)は「すばらしい賞をいただいて、本当にうれしく思う。また来年ももらいたい。次から次へとチャンピオンを育てていきたい」と喜んだ。
「日本スポーツ学会大賞」は日本のスポーツ界へ貢献した個人・団体を表彰する制度で10年に創設された。過去には元車いすテニス選手の国枝慎吾氏(11年度)、米大リーグエンゼルスの大谷翔平投手(21年度)らが受賞している。村田のプロ戦績は19戦16勝(13KO)3敗。
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