昨年11月に楽天から中日へ電撃トレードで移籍した涌井秀章投手(36)が千葉・館山市内で行う自主トレを取材した。
西武に入団しロッテ、楽天とパ・リーグの3球団を渡り歩き、今年でプロ19年目。通算154勝(37セーブ)を積み上げた右腕が大野雄、柳、小笠原、高橋宏ら好投手がそろう先発陣に加わった。
「引っ張っていこうとは思っていないです。いずれにしてもオープン戦で結果を残さないといけない。これまでの移籍したときもそうだったように、周囲からの視線はあると思う。でもマイペースで自分の調整をするのが一番強いかな」
自分のやるべきことを貫けば、おのずと結果はついてくる。ベテランの涌井が数字を残せば、若手への大きな刺激となることは間違いない。
「完投にはこだわりたい。みんなで3から5くらいやって、チームで30完投できればすごい。成績もついてくる。一人がやれば競争意識が生まれると思うから、一番初めにしちゃいたい」。先輩がやれば後輩たちもやらざるをえない。「そうなると思います」。涌井本人も自らの立場を理解している。
自主トレは西武、ロッテで主にトレーニングコーチを務めた大迫幸一氏に師事し、同氏が考える豊富なメニューを黙々とこなす。涌井のストイックな背中を追い、多くの若手選手が〝涌井塾〟で同じ時間を過ごす。
取材した日はDeNA・小園、西武・黒田、巨人育成の横川、木下、独立リーグでプレーする3選手が参加。涌井は自らを慕って集まった若手に知識を注入する。
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