はやみんが釣ったのは21センチの大型シロギス! キラキラと輝くまさに〝銀ちゃん〟です=東京湾・中の瀬
ギャラリーページで見るJR蒲田駅に降り立ったはやみん。発車メロディーの「♪キネマの天地~」を耳にして思い出したのが、つかこうへい氏の「蒲田行進曲」。撮影所を舞台にした映画は一世を風靡(ふうび)した。映画スターの銀ちゃんと、その彼女で女優の小夏、付き人で大部屋俳優のヤス。3人の人情味あふれる銀幕の世界の裏側が描かれた。キネマの都に思いをはせながら、東京大田区・羽田『かめだや』でのシロギス釣りに向かった。
◆食わせる間を作り
羽田空港の真横をすべるように進んだ船は、40分ほどで中の瀬の水深18メートルのポイントに到着。テンビン仕掛けに青イソメを付けて振り子のように反動をつけ、15メートルほど先に投げます。トントンとオモリで底をリズミカルにたたいた後は静止。食わせる間を作ります。
最初に上がったのは16センチほどのシロギス。例えるなら、名もなき大部屋俳優。次も大部屋。次も。薄濁りの灰色にも見える海水からシロギスたちが、ちょくちょくと顔をみせてくれました。
鈴木翔太船長=顔写真=から「アタリがあって合わせたら、竿を上げたところで少し待つ。ククンと反応があればそのまま巻いて、なければゆっくりと落してみて。また食ってくるから」とアドバイス。ググッという大きな反応があり、上がったのは、21センチのキラキラと輝く、それまでとは全く違ってみえるシロギスでした。まさに主役の「銀ちゃん登場」です。
バケツに入れると、その他の〝大部屋俳優〟たちがその場をよけ、主役にスペースを空けるように見えました。「銀ちゃんカッコいいっ」と声が聞こえたようでした。
◆中型グラマー小夏
次に釣れたのは、中型ながらグラマラスな1尾。パールピンクの衣装を身にまとった女優、小夏のようです。「ヤス。この小夏と結婚しろ」。銀ちゃんは自分のスキャンダルを消し去ろうと、身籠った小夏を自分に心酔するヤスに押し付けるのが、映画のストーリー。クライマックスは撮影中の映画・新撰組での、池田屋の「階段落ち」。ヤスは命をかけて、3階ほどの高さの大階段から落ちる役を引き受けます。
「はやみんの釣果は25尾でした」と鈴木船長に報告。バケツのキスを、一気にクーラーボックスへ入れようとすると、1尾がこぼれ落ちました。座席に当たり、さらに下の床にもんどり打って転げました。ヤス「アアーッ」。お見事、階段落ち決まった! 「カーット!」(速水裕樹)
バレンタインキス♪
シロギスに粉をまぶしてバターでムニエルにしました。バレンタインも近いので、かわいらしい一皿に。あやめ雪かぶをピューレにして添え、キスとかぶをバターのうま味がつなぎます。かぶの皮をハート型に抜いて、アクセントにしました。「バレンタイン♡キス」の完成です。
(1) かぶ2個をくし形にカットして、タマネギ1/2個と炒め、湯1カップにコンソメ1粒を加えて10分煮る。ミキサーでピューレにする。
(2) シロギスはウロコを取って三枚におろす。塩コショウをして、小麦粉を振る。フライパンにバターをしいて両面を焼く。
(3) 皿にかぶのピューレを丸く敷いて、上にシロギスを乗せる。ハート型にくり抜いたかぶの皮を飾ってできあがり。
★船長の見通し
「きょうは渋かったですね。潮が思ったように流れなかった。シロギスの活性も低かったです。もっと潮が流れてくれれば、釣果も違ってきたと思います。船もいろいろずらしながら流して探ったのですが。条件が良ければ、もっと釣れます。1年中狙えますが、5月過ぎには産卵期を迎えて型もよくなります。寒いときはマニアックな釣りだけど、食べるとおいしい。脂が乗ってこの時季は最高です」
◎ガイド◎ 〈船宿〉サンスポ推薦=羽田『かめだや』電話03・3741・1258〈交通〉JR京浜東北線・蒲田駅下車、東口から送迎バスあり。京浜急行・大鳥居駅からは徒歩で約8分。マイカーは首都高速・羽田口下車、約5分〈乗合料金〉2月1日から餌氷付き9300円。女性7500円。中学生以下5000円。7時40分出船。毎週火曜日が定休。
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