マスクを着けて平壌市内を歩く市民ら=24日(共同) 北朝鮮の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は24日、新型コロナウイルス対策で緊張感を欠く対応があるとして是正を求める記事を掲載した。北朝鮮専門サイト「NKニュース」は、首都平壌で当局が呼吸器系疾患の増加を理由に25日から5日間のロックダウン(都市封鎖)を始めたと報じた。感染疑いの人がいる可能性もあり、当局は厳戒態勢を敷いているもようだ。
北朝鮮は、2020年から国境を越える人の往来を厳格に制限している。しかし北朝鮮関係者は、昨年12月に中国で「ゼロコロナ」政策が破綻し感染者が急増したことで、中国からのウイルス流入リスクが高まったとの警戒感が国内で強まっていると指摘していた。
労働新聞は一部の医療関係者が住民の健康管理を漫然と行っていると批判した。また防疫意識を高める教育が「前例のない高い水準」で行われていると伝えた。
一方、NKニュースは平壌の封鎖に関する当局の通知を確認したとしている。封鎖を5日間に限定している理由は不明。
北朝鮮では昨年4月以降に感染が疑われる発熱患者が477万人超発生し、74人が死亡したと当局が発表。金正恩党総書記が同年8月に新型コロナに「勝利した」と宣言し防疫措置を緩和した。
死亡率が他国に比べ異様に低く、発表を疑問視する声は多い。腸チフスなどの患者が多く含まれている可能性もあり実態は不明で、金正恩氏の宣言後も感染は起きているとの情報もあった。(共同)
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