初場所で3度目の優勝を果たし、関係者らに祝福される貴景勝(代表撮影) 日本相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)は23日、東京・両国国技館で定例会合を開き、初場所を12勝3敗で制し令和2年11月場所以来3度目の賜杯を抱いた大関貴景勝(26)について、高村正彦委員長(80)=元自民党副総裁=は高く評価した。横審の内規によれば、3月の春場所(12日初日、エディオンアリーナ大阪)は「綱とり」となるが、具体的な条件には踏み込まず、「連覇」に重点が置かれた。
波風を立てない。初場所で3度目の優勝を飾った貴景勝について、高村委員長は「大変な重圧の中で、しっかり責任を果たしてもらった。全力士の中で横綱に一番近い位置にいるということは間違いない」と評価した。
初場所は125年ぶりの1横綱1大関の歴史的な番付となり、横綱照ノ富士は3場所連続の休場。貴景勝は3場所連続して平幕力士の優勝が続いていた中、賜杯を抱いた。横審の横綱昇進の内規は「2場所連続優勝もしくはそれに準ずる好成績」とある。貴景勝は昨年九州場所は12勝3敗の優勝同点。横審は初場所で高水準の優勝ならば昇進の可能性を示していたが、昇進問題を預かる審判部は初場所後の対応を見送った。
内規に照らせば、3月の春場所は綱とりとなるが、千秋楽の打ち出し後、佐渡ケ嶽審判部長(元関脇琴ノ若)は「(審判部は)何ともいえない。星数も、相撲内容もある」と明言を避けた。2場所続けて低い優勝ラインが明確な位置づけを難しくさせている。
高村委員長は春場所の具体的な条件には言及せず、「われわれ(横審)の中から特にレベルが高い優勝などという人はいないんじゃないか。今場所は残念ながらハイレベルの優勝というわけにはいかなかったが、優勝した。それ以上のことをいったらせん越」とし、「2場所連続優勝」が昇進の〝最短ルート〟と示した。(奥村展也)
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