米プロバスケットボールNBA、ウィザーズの八村塁(24)がトレードでレーカーズに移籍することが23日(日本時間24日)、両球団から発表された。レーカーズはNBA最多タイの優勝17度を誇る名門だが、今季は西カンファレンスで22勝25敗の12位と苦戦。今季ウィザーズで先発出場のない八村だが、新天地ではプレーオフ進出に向けた立て直しの切り札として期待されそうだ。
日本のファンには夢のような場面が実現する。八村が伝統の紫と黄色のジャージーを身につけて躍動する姿を見られる。
「塁を迎えることができて興奮している」
レーカーズのロブ・ペリンカ・ゼネラルマネジャー(GM)が歓迎のコメントを発表した。
レーカーズはマジック・ジョンソンやカリム・アブドルジャバーらを擁した1980年代に5度王座を獲得した超名門。その後も、2020年にヘリコプターの墜落事故で亡くなったコービー・ブライアントさんらがいた00~02年に3連覇するなど、NBA最多タイ17度の優勝を誇る。現在もNBAの顔といえるレブロン・ジェームズが在籍。ほかにもアンソニー・デービスや、昨季ウィザーズで八村の同僚だったラッセル・ウエストブルックらスターがいる。
ただ今季は22勝25敗で、西カンファレンス12位。昨年12月に得点源のデービスがけがで離脱するなどして苦戦が続く。「ウイングのポジションにサイズと厚みを加えることが目標だった」とペリンカGM。チームのサイズと得点力アップという目標に、身長203センチで高い攻撃力を持つ八村が合致していた。
八村は19年ドラフトで日本選手として初の1巡目指名を受け、全体9位でウィザーズに入団。初年度は48試合に先発して1試合平均13・5得点、ルーキー首位の6・1リバウンドなどを記録し、NBAオールルーキーチームのセカンドチームに選ばれるなど活躍した。
だが昨季、個人的事情でシーズン当初の合流が遅れる間、同ポジションで出番を得たカイル・クーズマが存在感を増し、主力に。八村は今季ここまでの30試合はすべて途中出場だった。今季がルーキー契約の最終年で、新人王のジャ・モラント(グリズリーズ)ら同期が契約延長に合意する中、八村は進展がなかった。米メディアによると、ウィザーズはクーズマとの再契約を最優先とし、八村を移籍させて予算を確保することも選択肢だとみられていた。
八村は21日に「自分を選手として望んでくれる場所にいたい」と明かし「全てのコーチが僕のプレーを好むわけではないことは知っている。このチームでも他チームであっても、勝利の手助けができる」と自身の実力には自信を示していた。
レーカーズは24日(日本時間25日正午開始)にクリッパーズ戦、25日(同26日)にスパーズ戦を本拠地で控える。現地24日未明時点のNBAの公式HPでは、八村は同日の試合の登録外で、準備が整い次第出番に備える見込み。早ければ、この2連戦で新天地デビューする。
■八村 塁(はちむら・るい) 1998(平成10)年2月8日生まれ、24歳。富山市出身。富山・奥田中でバスケットボールを本格的に始める。宮城・明成高、米ゴンザガ大卒。2019年6月のNBAドラフトで1巡目9位指名を受けウィザーズに入団。21年東京五輪日本代表。父は西アフリカのベナン出身、母は日本人。弟・阿蓮(23)はBリーグ群馬所属。203センチ、104キロ。
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