わき目も振らず世界一だけを目指してください-。中野拓夢内野手(26)にとってWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の大舞台は球界を代表する選手に成長するためのチャンスの場です。岡田彰布監督(65)は中野の二塁転向を決めていますが、侍ジャパンの栗山英樹監督(61)は遊撃で起用します。侍の強化合宿は2月17日にスタート。決勝戦(3月21日=米国マイアミ)まで行くなら約1カ月間、中野は遊撃手です。開幕戦(3月31日・DeNA戦=京セラ)直前までチームの正二塁手がいない、中野は二塁を守らないダメージは? いやいや今は世界一奪回のために力を尽くせばいい…。それが結果的に阪神や中野のためになると信じています。
■中野、WBC侍ジャパンに初選出 中野のポジション問題が栗山監督によって蒸し返された? いやいやそうではないと思いますよ。単純明快、侍では遊撃、阪神では二塁-。そこに何か問題でもありますか。ないでしょう。中野にとって初めての侍ジャパン代表としてのWBC出場は今後の野球人生の大きな糧になります。大舞台で経験したことは血となり肉となる。それが虎の主力選手としての地位をきっと押し上げてくれます。
監督就任早々、岡田監督が話した戦力構想の中でもひとつの〝目玉〟として捉えられているのが中野の二塁転向です。昨秋の高知安芸キャンプでは早速、二塁に就かせて適性をテスト。
「中野の打撃はそんな言うことないやんか。二塁の守備力も十分よ」といきなり合格点を与えていましたね。指揮官には二塁に固定することで打撃面をさらに成長させよう…という思惑があります。近本1番・中野2番をかつてのアライバコンビ(中日の荒木、井端の1・2番コンビ)のように相手チームの脅威にする考えです。
中野はプロ入り後の2シーズンは遊撃手としてプレーし1年目は135試合出場で打率2割7分3厘、1本塁打、36打点、30盗塁(盗塁王)。2年目は135試合に出場、打率2割7分6厘の6本塁打、25打点、23盗塁。遊撃手としての守備では1年目が守備率9割7分(17失策)、2年目は守備率9割7分3厘(18失策)。ルーキーイヤーには遊撃手としてベストナインにも輝いています。遊撃手として問題を抱えているわけではないのですが、指揮官の戦力構想では『二塁に中野を置き、遊撃には肩の強い小幡や木浪を起用する』なのです。
この記事をシェアする