阪神で2度の三冠王に輝き「史上最強の助っ人」と称されるランディー・バース氏(68)が、晴れて野球殿堂入りとなった。13日の通知式には1985年に阪神が日本一となった当時に監督だった吉田義男氏(89)がゲストとして出席。スピーチでバースとの思い出を語り「『7:3』ぐらいで西武が勝つとの下馬評だったのが、第1戦、第2戦をバースの決勝ホームランで勝ったことで西武を制した。日本一になったのは、ランディー・バースがいなかったらありえなかった」と功績をたたえた。
バース氏の殿堂入りに「素晴らしいこと。選ばれてしかるべき選手。まだ殿堂取ってなかったの? というぐらい」と祝福したのが和田豊2軍監督(60)。新人だった1985年からの4シーズン一緒にプレーし、バース氏に大きな影響を受けたという。
和田2軍監督が、現役時代のバース氏の印象としてあげたのが「賢さ」だ。
「野球の頭脳がすごくたけていた。力だけで勝負せず、常に相手投手の配球を読んで打っていた。当時の甲子園は浜風が強かったので、ホームゲームでは逆方向に打ち、ビジターの試合では引っ張って打つ。成功するためにいろんなことを考えて野球をやっていた。新人の自分にとっては雲の上の人だったが、すごく勉強になったし、参考にした」
スコアラーと情報をやり取りしながら、日本の投手の攻め方を研究していたバース氏の姿に学んだという和田2軍監督。自身も後に配球の研究を重ね、長らく阪神を支える主力選手にのし上がった。
これから先、「バースの再来」と呼べる頼もしい助っ人が出てくるか。それは研究熱心さがカギとなるかもしれない。(上阪正人)
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