阪神・今岡真訪1軍打撃コーチが、ようやく誕生した。1月17日に就任会見を行い、背番号は故・星野仙一氏がつけた「77」に決定。「もちろん好きな番号なのは間違いないです」と話した。1999年から3年間続いた故・野村克也監督時代はソリが合わず、レギュラーどころか、1軍の座すら危うくなった天才打者は、闘将との出会いで復活した。それだけに、思い入れはある。納得の「77番」だった。しかし心中を垣間見せたのは背番号の話題だけと言っても、過言じゃない。〝出遅れ〟からの遠慮なのか。そもそもの性格なのか。強い意気込みあえて隠したのか。何をどうしたいのか。具体的なコメントは残念ながらなかった。岡田彰布氏の監督復帰に伴うコーチングスタッフが発表されたのが昨年10月22日。打撃コーチ就任が内定しながらも、今岡氏の〝謎の沈黙〟は続いていた。3カ月後にやっと口を開いた。しかし〝ベール〟に包まれたままだった。
阪神・星野監督(左)と現役時代の今岡氏(2002年5月20日撮影)会見の内容は、どんな指導を? と問われ「指導というか、選手個々の能力を引き出す。この一点に尽きますね。みんな持っている力を出せずにいる選手が多い現状だと思うので、引き出すのを最大のテーマにやっていきたいと思います」が返答だった。阪神、ロッテで指導者経験がある。その過程で新たに身につけた点については「固定観念、人から聞いたイメージとか、自分が思ってることはどうでもいいと気づいた。日々変わろうとする選手もいるし、いいモノは継続しようとする。見てる側の時が止まっていれば、見えるモノも見えないと学んだ」。質問が出なかった部分もあるが、大山や佐藤輝ら個々の選手についての言及はなかった。矢野燿大監督時代に1、2軍巡回打撃コーチとして入閣し、問わず語りに4スタンス理論について、熱弁をふるった藤井康雄氏の時とは大違い。もっとも結果を見れば、その教えは浸透せずに、巡回コーチの存在も機能しなかった。多弁=猛虎復活に直結しないが…。
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