突進するリーチ・マイケル。大勝に貢献した(撮影・福島範和) リーグワン1部第5節最終日(22日、秩父宮ラグビー場ほか)3試合が行われ、BL東京はトヨタに63―25で快勝し、3勝2敗とした。2019年W杯日本大会でレフェリーも務めたオーストラリア協会のニック・ベリー氏(38)が笛を吹く〝世界基準〟の中、日本代表のリーチ・マイケル(34)らが躍動した。トヨタは1勝4敗。相模原は静岡に27―27で引き分け、3勝1分け1敗。静岡は1分け4敗。東京SGは花園に51―10で勝って4勝1敗で、花園は5連敗となった。
〝世界基準〟の笛が、名門対決を盛り上げた。BL東京が昨年5位のトヨタから8トライを奪って大勝。先発のNO・8リーチは満足げに振り返った。
「予想外。こんなに差が開いたことはない。いつも接戦。こんなに点が取れてよかった」
先制こそ許したが、愚直に体を当て続けた。ブレークダウン(タックル後のボール争奪戦)で優位に立ち、BKにテンポよくボールを供給。CTBタマニバルの2トライなど前半で32―18とし、後半は敵にシンビン(一時的な10分間の退場)もあって突き放した。
リズムに乗れた理由は、実力はもちろんだが、普段とは少し異なる試合の流れ方もあった。「最高でした」とリーチが賛辞を贈ったのは、レフェリーを務めたニック・ベリー氏だった。
日本協会は、リーグの競技レベルや国内レフェリーの技術向上を目的に、今節にニック氏を含む世界のトップレフェリー2人を招へいした。昨年12月の第1節に続く2例目。2019年W杯日本大会でも笛を吹いた国際的レフェリーの基準を、国内で体感した。
この日は、ボールが動き続けるインプレーの時間が長かった。「試合の流れにレフェリーが入ってこない。反則も納得のいく反則。『本当にレフェリーがいたのか』というくらいの試合でした」とリーチが目を丸くするほど、スムーズだった。
2季目を迎えたリーグワンも序盤戦が終了。9月にW杯フランス大会開幕を控える中、「(選手もレフェリーも)全体的にレベルアップしたいですよね」とリーチ。日本ラグビーを引っ張る男は、その先も見据えた。(阿部慎)
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