日本サッカー協会は17日、日本代表の新たなコーチに名波浩氏(50)と前田遼一氏(41)が就任すると発表した。W杯カタール大会で16強入りし、次回W杯へ向けて引き続き指揮を執る森保一監督(54)の意向を反映した人選となった。
【記者の目】
名波、前田両コーチの前途に期待したい。静岡県で活動する記者は、両氏を間近で取材してきた。
名波氏は磐田を率いて4年目の2017年にJ1で6位と躍進。単に技術・戦術を授けるのでなく、選手の内面からアプローチするのが名波流だ。17年はFWの補強を少なめにし、「今いる選手たちに責任を持たせる」と宣言。これに奮い立ったFW川又堅碁は「自分がやらないといけない」と14ゴールを挙げた。さらにセットプレー練習に力を入れたことでチームの総得点は37→50、総失点は50→30と前年から大幅に改善された。
前田遼一氏人心掌握術にたけており、自己中心的なイメージが強かった某選手は連日のコミュニケーションの末、決起集会で幹事役を務めるまでに変身。プレーでも成長が見られたことで代表入りを果たし、周囲を驚かせた。
昨年は磐田ユース監督だった前田氏は、選手に慕われる指導者だと評判が高い。現役時代は無口で通し、ユース選手から怖いイメージを持たれたそうだが、今では「自分たちに目線に合わせてくれる良き兄貴」ともっぱらだ。U―18プレミアリーグ西地区をクラブ最高の3位で終え、一段と評価を高めた。両氏とも磐田時代に見せた手腕を代表に還元してくれるだろう。(静岡担当・望月文夫)
この記事をシェアする