トヨタ自動車は16日、2023年の世界生産台数の目安を上限1060万台にすると発表した。半導体不足などで1割程度の下振れリスクがあるとして変動幅を持たせて設定した。実現すれば過去最高水準となる。部品調達難は最悪期を脱しており、堅調な生産を目指す。
半導体不足や新型コロナウイルス禍などの影響が不透明であるため変動する可能性を想定。仕入れ先などが人員体制や設備能力の準備を進めやすくするため「基準値」として水準を示した。
公表済みの年間実績で最高だったのは19年の905万台余り。22年は1~11月に833万台弱を生産し、12月は75万台程度とする計画を11月に発表している。
熊倉和生調達本部長はオンラインで記者団の取材に、多くの種類を使う半導体の供給状況について「ある部分は充足してきているが、まだ足らないものもある。見通すのはなかなか難しい」と説明した。
部品不足による生産制約の長期化で新車の品薄が問題になっており、長田准執行役員は「国内最優先で納期を短縮していく」と語った。仕入れ先と緊密に連携して部品不足の影響を抑えていく構えだ。
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