年が明け、各地で自主トレがスタートしている。地元・静岡で「TEAM ZAKI」を率いているのは阪神の岩崎優投手だ。島本浩也、川原陸、及川雅貴らサウスポーたちが弟子入りしている。そこに帯同しているのが、2012年から18年まで阪神に在籍した土屋明洋トレーナーだ。
土屋さんは退団後、芦屋市内でパーソナルコンディショニングジム「COUGS」を開業した。コンセプトは「100歳まで動けるカラダづくり」で、健康を維持するためのトレーニング指導をしている。
「うちで一番多いのは50(歳)代。体に不調があったり、病気やけがから回復された人たちに指導している。それと学生アスリートコースっていうのを作っているので、野球少年や高校・大学の野球部の子たちが来てくれている」
日本ハムに移籍した江越さらに、退団してなお選手に信頼される土屋さんの元には、多くの虎戦士たちが訪れる。昨年12月は日本ハムにトレード移籍した江越大賀選手がトレーニングに来ていた。江越選手といえば、その身体能力の高さは誰もが認めるところ。土屋さんによると、とにかく体がスゴイのだそうだ。
「体脂肪率がオフで11%。シーズン中は9%だったらしい。プロ野球選手でも10%を切るってなると、体重が軽い選手になる。僕が一緒にやっていた選手だと、うえぽん(上本博紀)や荒木(郁也)、大和ら、ちょっと線が細くて脂肪も少ないけど筋肉も少ないっていう選手が多い。でも江越の場合は体重があっての10%切りだから、すごい」
トレーニングの質や量も若いころと変わらないそうで、12月はシーズン中に落ちた筋肉量を戻すために「オフにしかできない高重量でセット数多めで、もう一度作り直すということをやっていたので、終わった後は筋肉痛バリバリが続いていた(笑)」と、かなり追い込んだと明かす。
「フィジカルは群を抜いていて、なおかつスピードがある。僕がタイガースにいたとき、10メートルのスプリントで一番速かったのが江越と植田海だった。出だしの1歩目2歩目にいきなりトップスピードにもっていけるのは盗塁向き。今もスピードは落ちていない」
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