明るい表情で体を動かす彦根総合ナイン。施設面の充実が強さにつながっている(撮影・渡辺大輔)
ギャラリーページで見る3月18日開幕の第95回選抜高校野球大会の有力校にスポットを当てる「青春って密…センバツ有力校密着!」。第3回は昨秋の近畿大会で8強入りし、27日の選抜選考委員会で初の甲子園切符をつかむチャンスがある彦根総合(滋賀)が登場。創部は2008年と歴史が浅く、全国的にほぼ無名だったチームは、北大津(滋賀)を春夏計6度、甲子園出場に導いた名将・宮崎裕也監督(61)の下、急速に成長中だ。
過去、夏の滋賀大会では16強が最高だった彦根総合が、昨秋の近畿大会で8強入りと躍進。北大津を甲子園に6度(春3度、夏3度)導いた宮崎監督が2020年から指揮を執り、チームは急速に力をつけた。
指揮官は選手としても比叡山(滋賀)で3年だった1979年夏に甲子園に出場し、8強入り。監督としては甲子園通算5勝。「1月27日の発表を楽しみにしています」と選手とともに期待に胸を膨らませている。
昨秋の近畿大会では準々決勝で大阪桐蔭に4-9で敗れたが、プロ注目左腕・前田悠伍投手(2年)から一回に3点を奪うなど三回までに4得点。「(これまでは)全国レベルの背中も見えなかったけど、背中ぐらいは見えた」と手応えをつかんだ。
レベルアップした要因の一つは練習環境の充実だ。昨年8月に中堅120メートル、両翼100メートルの専用グラウンドが完成。以前に使用していた60メートル四方のグラウンドではできなかったフリー打撃が可能となった。
「広いグラウンドではノックと違い、生きた打球を追いかけることができる。打球への一歩目の出足がよくなった。内外野の連係プレーもしっかり練習できる」
近畿大会ではその成果を示した。1回戦の近大新宮(和歌山)戦で、一回に右翼・田代奏仁外野手(2年)が、八回には中堅・秋山昌広外野手(1年)が正確な返球で本塁突入した走者を仕留めた。「守備が乱れて負けるということは一番、あってはならない」と成長を実感した。
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