11度目の頂点に立ち、帝京大の選手たちは笑顔で記念写真に納まった(撮影・福島範和) 全国大学ラグビー選手権決勝(8日、帝京大73-20早大、国立)歴史的大勝で新たな時代の幕開けだ! 帝京大(関東対抗戦1位)が早大(同3位)を73-20で破り、2大会連続11度目の優勝を果たした。元日本代表で就任1季目の相馬朋和監督(45)が率いる帝京大はスクラムを中心にフィジカルで圧倒し、73得点、11トライ、53点差は決勝史上最多。V9を遂げた2017年度以来の連覇を達成し、令和の常勝軍団へと踏み出した。早大は3大会ぶり17度目の頂点に届かなった。(観衆=2万1396)
帝京大が圧巻の大勝で2連覇達成だ。体重約130キロの相馬監督が優勝回数と同じ11度、宙に舞う。CTB松山千大(ちひろ)主将(4年)が実感を込めた。
「この1年間、優勝するためにハードワークしてきた。とてもうれしい」
同点に追いつくトライを決め、雄たけびを上げるFL青木。帝京大が歴史的大勝で11度目の優勝を飾った(撮影・塩浦孝明)開始2分にノーホイッスルトライで先制。2トライを奪われて早大に逆転を許しても、全く危なげなかった。同22分にFL青木のトライで追いつき、ゴールキックで14-12と再びリードを奪うと、流れを完全に取り戻した。
スクラムで圧力をかけて、何度も相手の反則を誘う。ボール争奪戦でも優位に立ち、終わってみれば計11トライ。主将は「積み上げてきたものが通用した」と誇った。
2009-17年度の大学選手権9連覇をはじめ、4大会ぶりに頂点に返り咲いた昨季まで26年指揮した岩出雅之氏(64)が退任。後を継いだ相馬監督が常勝の文化を大事にしつつ、上積みを図ってきた。
母校を指揮して1年目。伝統的に武器とするスクラムと接点の強さを磨いた。「他の大学は休んでいるのに俺たちは休みがない」という選手の声を耳にしても、妥協はしない。3対3のスクラム練習では自ら加わり、元日本代表PRの経験を肌で伝えた。