嵐・松本潤(39)主演のNHK大河ドラマ「どうする家康」(日曜後8・0)が8日にスタート。徳川家康役で大河初出演の初陣を飾る。国民的グループの活動休止から丸2年。現在は国民的ドラマと向き合う日々だ。不惑を迎える2023年は「これしかないでしょ!」と大河に懸ける。「どうする?」と迷い決断した人生の分岐点も赤裸々に語った。(ペン・渡邉尚伸)
〝天下人〟になっても松潤らしさは変わらない。「何でも聞いてください」。記者の緊張をほぐそうと気遣う優しい言葉が、笑顔とともに自然とこぼれ出た。
8日放送開始の「どうする家康」で大河初出演にして初主演する。演じるのは最も有名な武将、徳川家康。嵐としてアイドル界の頂点に上り詰めた男が、ドラマの世界で天下統一を成し遂げる。
昨年6月にクランクイン。撮影は約1年半に及ぶ。「こんなに一つの役に集中して、時間も労力もかけることを今まで僕は経験していないし、多分今後もない。他の仕事では言い表せないような経験を、たまたまさせてもらえたのはラッキー。だからこそ、後悔がないようにしたい」と不退転の覚悟だ。
昨年の大河「鎌倉殿の13人」に北条義時役で主演した俳優、小栗旬(40)とは、TBS系「花より男子」(2005年)などで共演した旧知の仲。21年1月に松本の「どうする家康」主演が発表されると〝花男リレー〟と話題になった。
「『鎌倉殿の13人』はすごく楽しんで見ていた。4カ月間、撮影が『どうする家康』と並走していたから、彼(小栗)が昨年10月にクランクアップしたときは『あぁ、向こうは終わっちゃったか』という感じ。僕のクランクイン前後の時期から、いまだに『最近どうなの?』とか話をずっとしていて、今日(取材日)も連絡した」と心の支えになっている。
今や〝大河主演俳優〟だが、1999年に嵐としてCDデビューした当時は16歳。いつしか国民的グループと呼ばれ、20年末に活動休止するまでの21年間、アイドル界のトップを駆け抜けた。
大河のタイトルのように「どうする?」と悩んだ人生の分岐点があった。中学1年だった96年春。履歴書を見たジャニーズ事務所前社長のジャニー喜多川さん(2019年死去、享年87)から電話があった。
「YOU、今日ダンスレッスンに来ない?」
野球少年だった松本はその日、チームの練習に行く予定だった。「野球に行くのか、ダンスレッスンに行くのかという選択をした日は、自分の中で人生が変わった瞬間」。出した答えはダンスレッスンだった。
「レッスン後、スタッフに『ここから先はテレビのリハーサルだから、君は帰っていいよ』と言われて悔しかったから、その場に残ってダンスの練習をしていた。その悔しい思いと、まだダンスを練習したいという気持ちがなかったら、恐らく今、僕はここにいないんじゃないかな」。
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