駒大OBで元マラソン日本記録保持者の藤田敦史ヘッドコーチ(46)が3日までに取材に応じ、恩師である大八木弘明監督(64)の指導法や、3冠を成し遂げた理由などを語った。今年3月限りで退任する大八木監督の後任を務める藤田氏は後日、抱負などを述べる予定。
1998年度に出雲、全日本を制し、大学として初めて3冠に王手をかけてから24年。大八木現監督がコーチに就任した95年4月に入学し、〝大八木1期生〟の藤田ヘッドコーチは、恩師の変化を感じ取る。
「私たちの頃は、私たちから監督に何か意見をすることはほぼなかった。監督に言われたことをやれば強くなれるんだ、と100%の信頼をしていた」。ときに選手に「男だろ!!」と声をかけて鼓舞する指揮官の強力なリーダーシップに引っ張られる形だったという。
ただ、近年は選手との接し方が変わってきたという。「(練習メニューなどを)何パターンか示した上で選手に選ばせたり、そういった対話をすることが多くなった」と対話型に。「親身になって厳しいことも言ってくれるし、できたときは褒めてくれる。親のような存在なのかな」と語る。
藤田氏は箱根駅伝に4度出場し、チームは総合2位が最高だった。3冠を果たせないまま卒業した。今大会はコーチとして学生をサポートし、3冠達成までの道のりを見てきた。主将の山野力(4年)を中心に、駒大史上初めて3冠を成し遂げた原動力とは-。
「(今年のチームは)自分たちで3冠を勝ち取るというより、最後に自分たちがお世話になった大八木監督を胴上げして終わるんだと総意があった。その思いで(3冠に)チャレンジしていた」
大八木監督と選手の強い絆で、ついに3冠をつかみ取った。元マラソンの日本記録保持者でもある藤田コーチは、新春の箱根路を制覇した後輩を誇らしげに見つめた。(川並温美)
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