岸田文雄首相は27日、政治資金問題や公選法違反疑惑が相次ぎ発覚した秋葉賢也復興相を更迭する。秋葉氏は官邸で辞表を提出する見通し。首相は後任人事の検討を急ぐ。来年1月下旬召集の通常国会で野党の追及を避け、態勢を整える狙い。ただ、岸田内閣の閣僚辞任は約2カ月で4人目。内閣支持率低迷が続く政権にはさらなる打撃となる。性的少数者を巡る過去の不適切な表現が批判された杉田水脈総務政務官も交代させる。
先の臨時国会で、秋葉氏の政治団体が妻と母親に事務所賃料として計約1400万円を支払い、母親が確定申告していなかったことが発覚。昨年の衆院選で秘書に報酬を支払った公選法違反疑惑なども報じられた。
野党の更迭要求に対し、首相は「閣僚として職責を果たしてもらうことが重要だ」と拒否。だが、政府、与党内では来年の通常国会での予算案審議や4月の統一地方選への影響を懸念し、早期の交代論が強まっていた。松野博一官房長官は27日の記者会見で、秋葉氏の後任に関し「個別の人事に関するコメントは控える」と述べるにとどめた。
秋葉氏は、衆院比例東北選出で当選7回。自民党茂木派に所属しており、今年8月の内閣改造で初入閣した。岸田内閣の閣僚では10月以降、山際大志郎前経済再生担当相、葉梨康弘前法相、寺田稔前総務相が相次いで更迭されている。
杉田氏は2018年発売の月刊誌で、LGBTなどの性的少数者を「生産性がない」と表現。民族衣装を着た女性への不適切な言動なども問題視され、今月2日の参院予算委員会で撤回、謝罪した。
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