花園に向けて練習する常翔学園フィフティーン。10大会ぶりの優勝を狙う(撮影・渡邊大輔) 第102回全国高校ラグビー大会は27日、51校が参加して大阪府東大阪市の花園ラグビー場で開幕する。昨年度に史上3校目の大会通算100勝を達成した常翔学園(大阪第1)は、今年9月に同校初の女性監督に就任した平池三記(みき)氏(53)が率いる。30日の2回戦から登場し、10大会ぶり6度目の優勝を目指す。
常翔学園ラグビー部の平池三記監督水たまりに氷が張る寒さの12月。ラグビー界では超異例の女性監督が、淀川の河川敷グラウンドで選手を見つめていた。花園通算100勝&優勝5度を誇る常翔学園を率いるのが、平池三記監督だ。
「わくわくしています。子供たちの3年間の集大成。目標は優勝ですが、何かを学び取ってほしい」
1999年に前身の大工大高に数学科教諭として赴任。2年後には、副部長としてラグビー部との関わりを持つようになった。スポーツ経験は、ほとんどない。主に合宿所の手配など裏方として20年以上務めてきた。
今年9月、部員の不祥事が発覚し、日本一に2度導いた野上友一監督(64)が辞任。後任に指名されたのが平池監督だった。同校初の女性監督として強豪を受け継ぐ形となったが、これまで花園での戦いはスタンドからしか見ていない。ラグビーの細かい知識や経験もなく、戦術面はOBやコーチ陣に託した。
そんな平池監督が重視したのが選手とのコミュニケーション。部員の内面を知るために「ラグビーノート」を始めた。96人の大所帯とあって、グラウンドで一人一人と話すことは難しい。だからこそ〝交換ノート〟で本音を聞き出した。
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