前半、PKで先制のゴールを決めるアルゼンチンのリオネル・メッシ(右)=ルサイル競技場(撮影・蔵賢斗)
ギャラリーページで見るサッカー・ワールドカップ準決勝(13日、カタール・ルサイル)アルゼンチンが前回大会準優勝のクロアチアを3-0で下し、2大会ぶりの決勝に駒を進めた。前半34分にFWリオネル・メッシ(35)=パリ・サンジェルマン=がPKを決め先制。39分にはFWフリアン・アルバレス(22)=マンチェスター・シティー=が中央突破で追加点を奪うと、後半24分にはメッシのラストパスをアルバレスが沈めて試合を決めた。
進撃のアルバレスが、メッシとアルゼンチンの未来を切り開いた。最初の大仕事は前半32分。味方がクロアチアのパスを引っ掛け、ずれたDFラインの間に鋭いランニング。スルーパスを引き出し、そのままゴールへの突撃ドリブルでGKの反則を誘った。お膳立てをゴールにつなげたのはメッシだ。今大会すでにPK4本をストップしているGKリバコビッチの手が届かない右上へ、PK弾を蹴り込んで右手でガッツポーズを作った。
アルバレスの勢いは止まらない。前半39分にハーフラインからボールを持ってピッチ中央を猛進。味方のランニングに相手DFが気を取られるさなか、ゴールだけを見続けた。DF2人にボールを当てながら直進し、最後はGKの鼻先で右足を伸ばして追加点を奪った。
22歳の〝アルゼンチンの未来〟の大活躍に、メッシも極上のプレーで応えた。後半24分。ペナルティーエリア右でボールを持ってDFグバルディオルと向かい合う。慎重にボールを隠しながら、ゴールライン際のターンで一気に加速。フェースガードをつけて数多のFWを止めてきた20歳の気鋭センターバックを一瞬で振り切って中央に侵入し、アルバレスに流し込むだけのラストパスを送った。3点目のネットを揺らして2人がたたえ合う。粘り強い戦いで勝ちあがったクロアチアをあっさり振り切り、先に進む瞬間だった。
特大の才能2つが混ざり合って輝く姿を目の当たりにして、アルゼンチンサポーターは腕を振り上げ、飛び跳ね、宴に浸る。88966人のスタンドが揺れ、歌は途切れることなく続いた。メッシが、アルゼンチンが、ついに優勝まであと1勝に迫った。
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