左からUVERworldのボーカルのTAKUYA∞、ソフトバンク担当の竹村岳記者、ソフトバンクの武田翔太 2022年をもって、20年1月から務めてきたサンスポ鷹番を離れることになりました。お世話になった全ての方々、本当にありがとうございました。この場を借りて、ソフトバンク・武田翔太投手(29)に感謝を伝えたい。
武田と親交深い、滋賀県出身の男性6人組ロックバンド「UVERworld」。ボーカルのTAKUYA∞をはじめメンバーの方々とは、バンドの大ファンである筆者も交流があり、入社前から武田とバンドの関係は知っていた。武田とはすぐに打ち解け、担当記者として取材できることが本当に幸せだった。
はじめは武田の結果に一喜一憂した。白星がつけば祝杯をあげ、打たれれば泣きそうになってしまうときもあった。その中で気づかされたのは、選手のパフォーマンスのために、記者にできることはないということ。もっといえば、あってはならないとさえ思う。
トレーナーのように体のケアはできないし、栄養士のように食事の管理もできない。できるのは、裏側にある努力を読者に届けることだけだ。客観視する大切さに気付く中、どこか「一緒には戦えない」「力にはなれない」寂しさも覚えた。
今年2月の春季キャンプ中。選手にとって登場曲を決める時期に、ふいに武田から連絡をもらった。「今年の登場曲、何がいい?」。驚きながらも、UVERworldで僕が好きな2曲を候補に出すと、愛情あふれる言葉が返ってきた。
「岳が決めて」
本当に驚いた。そんなに深い意図は武田にはなかったと思う。でも、僕にとってはマウンドで少しでも「一緒に戦わせてくれる」ことが、うれしくてうれしくて仕方なかった。興奮して、思わずTAKUYA∞にも電話で伝えた。
「何が言いたいのか自分でもわからないんですけど、とにかくうれしいです! 翔太さんと出会わせてくれて、本当にありがとうございます!」
改めて推薦したのが、UVERworldの新しい代表曲『EN』。8月13日のオリックス戦(ペイペイドーム)で初めて流れたようすは、しっかりと動画にも収めた。昨年末に撮ってもらったこのスリーショットは今もスマホのロック画面だ。いちファンだった僕が、野球記者として、武田とUVERworldのファンとして、たくさんの幸せを教えてもらった。それも全て、武田とTAKUYA∞の愛情のおかげだ。
努力は人に見せない。弱音や愚痴なんて聞いたこともない。クールでひょうひょうとした印象があると思うが、本当は熱くて、何より愛情深い人だ。だからこそ、僕は信じている。武田翔太は、まだ何も終わっていない、と。『EN』の歌中に、こんな歌詞がある。「伝えたいことは、今日伝える」。翔太さん、本当にありがとうございます。(竹村岳)
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