打撃では低反発バットを使用。強豪私立の選手と比べ、体の線が細くパワーで劣るため、強い打球を放つためには芯でボールをとらえるこが必須。低反発バットは木製バットと同様に、芯を外すと飛ばないため、「正しい打ち方を覚えるのに役立っている」という。
創部76年で甲子園出場はないが、昨春の県大会は4強入り。「4枚の紙」が練習で磨いた技術を出し切るための〝バイブル〟だ。選手全員が「船橋高校野球部徹底事項」とのタイトルが記された4枚の紙を持ち歩く。内容の多くは明かせないが、「(カウント)0-0からは必ずストライク」など投手23項目、守備31項目、攻撃15項目、走塁23項目の当たり前にやるべき徹底事項をマニュアル化した。慶大野球部出身の日暮(ひぐらし)剛平監督が、春夏通じて甲子園に6度出場した広島新庄の元監督で慶大の先輩、迫田守昭氏から教わったアイデア。指揮官は「プレーで困ったときに道しるべになっている」とうなずいた。
「甲子園を目標にやることがこの後の人生につながる。船橋高校で野球をやったからこそ人としても成長していきたい」と渡辺。全力で物事を追求する姿勢は机の前でも土の上でも変わらない。
■船橋(ふなばし) 1918(大正7)年に東華学校として発足。船橋中学院と改称された20年に創立した県立の男女共学校。48年から現校名。文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校で普通科と理数科がある。生徒数は1073人(うち女子441人)。野球部創部は46年で部員数は26人(うちマネジャー3人)。主な卒業生は元首相の野田佳彦(立憲民主党)、早川大輔(オリックススカウト)。所在地は千葉県船橋市東船橋6の1の1。酒匂一揮校長。
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