背番号「17」のユニホームを着てポーズをとる青柳。ビッグマネーを手にしてさらに成長する(撮影・甘利慈) 阪神・青柳晃洋投手(28)が8日、西宮市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、1億2000万円の倍増で球団生え抜きの先発投手として歴代最高額となる年俸2億4000万円でサインした。今季は投手3冠に加えベストナイン、最優秀バッテリー賞にも輝くなど大活躍。ドラフト5位から球界を代表する投手にはい上がったエースは、今後も下位指名選手の手本となることを誓った。
大トリでの契約交渉で、提示された金額に青柳の瞳が輝いた。720万円からスタートした年俸は7年かけて2億4000万円に到達。エースの階段を着実に駆け上がり、ドラフト5位入団からついにここまで来た。
「倍くらいの金額をいただくことになったのですごく評価していただいたなと思います」
今季は13勝(4敗)、勝率・765、防御率2・05での投手3冠に加え、初のベストナインに最優秀バッテリー賞と勲章を数多く手にし、虎のエースとしての立場を確固たるものにした。プロ野球史上初の2年連続最多勝&勝率1位で、周囲も納得の年俸倍増。1億2000万円増は2009年の藤川球児と並び、球団の日本選手では投手最高のアップ額。先発投手に限れば、06年の井川慶(2億3000万円)を超え、04年の伊良部秀輝と並ぶ歴代最高年俸となった。
「僕の昔を知っている人だったら、ここまでになるとは思っていない」
2016年のプロ入り当初は、ドラフト1位の高山、同2位の坂本ら大卒の同期が1年目から名前を売るなか、登板機会はあったものの制球力に苦しむなど、決して順風満帆ではなかった。ただ、愚直に練習に取り組み、与えられた出番で結果を残しながら力をつけ、チームに欠かせない存在にまで成長。ドラフト5位から〝タイガースドリーム〟をつかんだ。
「ドラフト下位で入る子に対しての希望にはなるかなっていうのは僕の中で思っています。年俸が低いドラフト下位の選手のお手本になれたら」
手本になるためには来季も結果が求められる。オフ期間で新球種の習得にも挑戦する予定で、配球や抑え方のバージョンアップにも取り組み、昨オフに掲げながらも達成できなかった15勝は再び誓う目標だ。
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