■12月9日 感動で何度も泣いた。目標のベスト8は逃したとはいえ、優勝経験国のドイツ、スペインを倒したサッカー日本代表に元気をもらった。余韻は今も続いている。長友佑都(36)が勝利後に叫んだ「ブラボー!」をはじめ、選手や監督の発言が深く胸に残るW杯でもあった。
堂安律(24)の「あそこは俺のコースなので」、三笘薫(25)の「1ミリでも中に入っていればいいと思って、足を伸ばした」、森保一監督(54)の「一喜一憂するな」「新しい景色を見せたい」…。冷静に戦いを続ける中、他のスポーツや一般社会にも通じる名言の数々だった。
始まりは、初戦の対ドイツを前にしたロッカールーム。キャプテンの吉田麻也(34)が「歴史を変えてきた奴は、勇気を持って前進してきた奴だけだ」と仲間を鼓舞した。結果は周知のとおりの大逆転。心のこもった言葉は力をくれる。そのことをしみじみ実感した1人は、ドイツ戦では無得点だった田中碧(24)ではないか。
田中は3戦目の対スペインで、幼馴染の三笘からの〝1ミリアシスト〟を右太ももで押し込む決勝点。11月1日に代表に選ばれてから日記をつけ始め、連日「ワールドカップで点を取る」と書き続けたという。自分に言い聞かせてきただけとはいえ、有言実行。目標や反省を書き留めることで自信が芽生えたのだろう。「点を取れると信じていた」と話すテレビ映像の笑顔が印象的だった。
他の選手では、長友が中学時代の日記に「チームが一つになることは、ボールを蹴るより大事」と書いたことで有名。それも今回、実現できたといえそう。サムライブルーは言葉の大切さや日記の効用も改めて知らしめた。まじでブラボー!(森岡真一郎)
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