戦友の分も―。その思いは強いだろう。ヤクルト・梅野雄吾投手(23)が6年目のシーズンを終えた。開幕前には先発にも挑戦。シーズン突入後はリリーフで41試合に登板したが、終盤に故障でリハビリ生活となり、悔しいシーズンとなった。
来季はプロ7年目。「結果を残さないといけない」と覚悟を決めている。そして、友の分もまだまだ第一線で活躍する決意だ。
10月3日。2017年の入団同期で同学年の寺島成輝投手(24)が戦力外通告を受けた。その後、12球団合同トライアウトを受けたが、希望していたNPBからのオファーはなく現役引退を決意。梅野も連絡をもらったといい「本人が引退すると決めたのでしようがないけど、寂しいですね」と本音を漏らした。
特別な存在だ。同期で高卒投手は2人だけ(捕手は古賀)。寮生活でも、練習でも「ずっと一緒にいた」という仲だ。何度も2人で食事に行き、語り合った。
「楽しかった。これからもご飯に行くと思いますし、会えると思いますけど、一緒に野球ができないというのがね…」
トライアウト前には、埼玉・戸田球場でキャッチボールもした。少ないチャンスをものにするため、アピールの場に立つ仲間の背中を押した。そのつもりだった。だが、寺島は引退を決断。「連絡をもらってもそんなに熱い話はしていません。『引退するわ』ということだけ。それだけ長い付き合いなんで」。言葉にせずとも胸の内はわかっている。
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