プロボクシングWBA、WBC、IBF世界バンタム級統一王者の井上尚弥(29)=大橋=が7日、横浜市の大橋ジムで練習を公開した。サッカーのW杯カタール大会で活躍した日本代表に刺激を受け、WBO王者のポール・バトラー(34)=英国=と対戦するアジア選手初の4団体王座統一戦(13日、東京・有明アリーナ)で、次は自分が日本を盛り上げることを誓った。
減量のためジム内の暖房をつけ、ストーブも置かれた中、井上は気迫のこもったサンドバッグ打ちなどで約1時間汗を流した。6日に来日したバトラー陣営はジョー・ギャラガー・トレーナー(英国)ら3人が視察した。
「バトラーが来日していよいよだなと気が引き締まった。あと1週間、しっかりと仕上げて試合当日を迎えたい」
減量は順調で、残りは微調整する段階だという。近年は長くても1日8ラウンドのスパーリングで調整してきた井上。今回の試合に向けては10ラウンドを複数回行うなど2016年8月以来の2桁ラウンドスパーリングを敢行した。アウトボクシングを得意とするバトラー対策で、長期戦になる可能性を見据えてのものだ。
「バトラーは高い技術を持った選手なので、技術戦など最近見せられていないテクニックの高い試合を見せられるのではないか」
サッカーのW杯カタール大会で強豪のドイツとスペインに勝利し、日本中を盛り上げた日本代表の試合はニュースやハイライトでチェックした。「スポーツがファンに与える力はすごいなと思った。刺激を受けた。これに続いて、自分も日本中を盛り上げられたら」と今度は井上がボクシングで国民に力を与える。
4団体統一は男子では全階級合わせて史上9人目、アジア選手で初の大偉業。それでも「ここはあくまでも通過点。この試合はバンタム級の最終章という位置付けであり、スーパーバンタム級で闘う上でのスタート。危なげなく圧倒する」。モンスターはバンタム級ラストマッチで圧勝し、同級の完全統一を果たす。
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