4日の早明戦、後半、トライを決める明大・斎藤誉哉 =国立競技場(撮影・福島範和) ■12月6日 サッカーの歴史を紐とくと19世紀、各学校ごとにルールがあったイングランドで協会を作りルールを統一したことで「アソシエーションフットボール」と呼ばれるようになった。日本では「ア式蹴球」となり東大や早大ではいまもア式蹴球部が正式名称だ。同様に「ラ式蹴球」と呼ばれたのは同じフットボール仲間のラグビー。
9年ぶりに国立競技場に舞台が設えられた4日の早明戦。既に関東大学対抗戦の優勝は帝京大に決まっているが、これが98度目という伝統の一戦には3万5438人という大観衆が集まった。カタールW杯での日本代表の快進撃で「ア式」一色の中「ラ式」にも目が集まった。
試合は下馬評通り明大が35-21で早大に快勝した。かつては重量FWで前進する「タテの明治」、バックスが華麗に展開する「横の早稲田」とチームカラーは両極にあったが、いまはタテも横もない。タテ横足して2で割ったような攻撃とスクラム、ラインアウトでも優位に立った明大が点差以上の力を見せた感じだ。
2位の明大は全国大学選手権でシードされ準々決勝(25日)から、3位の早大は3回戦からで勝てば明大との再戦になるが11日の3回戦の相手は東洋大(関東リーグ戦3位)。29年ぶりにリーグ戦1部に復帰した初戦で、いきなり4連覇中の王者東海大を倒して驚かせた東洋大が〝ジャイアントキリング〟旋風を選手権でも起こせるか。
関東対抗戦とリーグ戦、関西リーグ戦がW杯の1次リーグなら、大学選手権は決勝トーナメント。その間17日にはリーグワンも開幕する。来年9月にはフランスW杯を控える「ラ式」も「ア式」に負けないよう存在感を見せてもらいたい。(今村忠)
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