日本代表の“理想”を見つめる堂安律「粘り強い守備はベース」「強豪相手にボールを保持して勝ちたい」 日本代表MF堂安律が、今後の発展に向けたビジョンを語っている。
日本はカタール・ワールドカップ(W杯)のグループステージでスペイン代表、ドイツ代表を撃破する大金星を挙げたが、続くラウンド16ではクロアチア代表とPK戦までもつれ込んで敗退。結果的にはベスト8に届かなかったが、極めて高いインテンシティと集中力の守備で世界中を驚かせた。
とはいえ、帰国直前のメディア対応にて、堂安は「ドイツ、スペインの時にやった戦い方すべてが僕たち選手のやりたいことではない」と強調し、今後はより理想とするスタイルで渡り合っていけるようになるべきだと主張している。
「(ドイツ戦やスペイン戦の戦いは)勝つ可能性を上げるためにとった手段なだけであって、もちろん見てる方もそうですけど、僕たちもわかっています。それが理想としているサッカーではないこともわかっています。コスタリカ、クロアチアみたいにボールを少し持たせてくれる相手とか、昨日も前半45分はよかったけど、やはり強豪国相手にW杯で90分間、ボールを保持して勝ちたいという理想はあります。積み上げるところはこの4年間、たくさんあります」
一方で、「粘り強い守備とか、理想には程遠いですが、それができたということはやはりベースとして持っていないといけない」とも。カタールで見せたものを最低限とし、「それを持ちながら理想を求めたい」と今後の方向性についての持論を語った。
それでも今大会では日本の対応力が脚光を浴びたことは間違いない。11月開幕の異例のスケジュールで準備期間がほとんどなかったが、「大会前から話していたのは、この時間がない中でこれほど調整できるのは、この団結力のある日本しかいない」と、むしろ日本の強みが生きるシチュエーションだと捉えていたようだ。
また、堂安個人としてはドイツ戦とスペイン戦でネットを揺らし、計2得点をマーク。大会の中で自身のスコアラーとしての適性を再確認したと語った。
「この大会で思ったのは、改めて自分はフィニッシャーだなとも思いますし、作る役じゃないなと思いました。やはり新しい自分のポジションを開拓できると思っていますし、それほどMF(登録)というのは、あまり気にしていない。FWの方が感覚は強い、本田(圭佑)さんもFWをやって(南アフリカW杯で)2得点とっていましたし、そこはあまり関係ないと思っています」
4年後には28歳となる堂安。カタール大会で常にビハインドの状況から結果を出してくれた男は、絶対的な存在として日本に新しい景色をもたらそうと、今から闘志を燃やしている。(Goal.com)
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