早大のタックルをかわしてステップを切る明大主将の石田。大学選手権での再戦を希望し、返り討ちを誓った(撮影・塩浦孝明) 関東大学ラグビー対抗戦(4日、国立競技場ほか)98度目を迎えた対抗戦伝統の早明戦は、明大が35-21で勝利。6勝1敗の勝ち点28で2位を決め、全国大学選手権は25日の準々決勝(秩父宮)が初戦となった。定期戦通算は明大の41勝2分け55敗。早明戦3年連続のトライを決めたWTB石田吉平主将(4年)ら選手の思いは、大学選手権で再び宿敵と当たり、1996年度以来26年ぶりとなる対抗戦-選手権の早大連破だ。
早大に追い上げられ、21-14で折り返したハーフタイムの明大ロッカールーム。下を向く選手が多く、暗い雰囲気の中で石田主将が声を上げた。
「上を向こう。リードしていることを楽しもう」
暗さを一掃したのがCTB斉藤誉哉(たかや、4年)だった。後半3分、早大SO野中のロングパスを飛びつくように奪うと、自陣からの55メートルを走り切ってトライ。チームを勢いに乗せた前半2分の先制に次ぐ2トライ目に、石田らチームメートが群がって喜んだ。
国立競技場での早明戦は9年ぶりで、改築後は初めて。3万5438人の観客を熱狂させるビッグプレーだった。
「(早大の攻撃が)キックの後にロングパスというのが頭にあったので思い切って出ました」
シーズン序盤に石田が負傷で戦列を離れた間、ゲーム主将としてチームをまとめた。明大は試合前日にホテルに前泊するが、ほぼ石田と同室。前夜も「簡単に勝てる相手ではない。まずチームを落ち着かせよう」と話し合ったという。
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