臨時国会は今月10日までの会期末を直前に、いろいろなことがバタバタと決まっていく。今国会の目玉は、新型コロナ対策と物価高に対応した総合経済対策。電気とガス代を抑える負担軽減策などを盛り込んだ一般会計の歳出総額約29兆円の2022年度第2次補正予算案が可決、成立した。
自民、公明両党に加えて、国民民主党も予算案に賛成した。予算案が成立した同じ日に、連立政権に国民民主を加えて玉木雄一郎代表を年明けにも入閣させることを検討していると報じられた。
岸田文雄首相、玉木氏ともにこの動きを否定した。ただ、内閣支持率が低迷する中で年明けに内閣改造を行うとの話が既に流れていたほか、「政治とカネ」や世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点などの問題を抱えた閣僚もいて〝人材不足〟の側面もある。予算案に賛成した時点で、既に「自公国内閣」といっていい。
政府が来年度以降の防衛費について5年間で総額40兆円以上とする方針を固めた予算増額、旧統一教会を巡る被害者救済新法についても、もっと深く審議を尽くしてほしいところだ。防衛費の大幅増額は財源も課題となる。救済新法は与野党で考えの隔たりがあるものの、与党側は6日から衆参両院2日ずつのスピード審議で会期内成立を目指している。安倍晋三元首相が銃撃された悲劇が契機となっていることを考えると、全党一致するくらいのレベルで制度設計しないといけないのではと考えるのだが…。
不祥事による閣僚交代以外にも、杉田水脈総務政務官の過去の言動が問題となるなど本来の政策論議とは別のところでせわしない国会だった。予定通り閉会となるようだが、国会で〝時間切れ〟というのも、おかしな話だ。(政治評論家)=毎週日曜掲載
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