同じ道をたどってきた後輩が、これから最大のライバルとなる。プロ初のオフシーズンを迎えた阪神・豊田寛外野手(25)は、D1位・森下翔太外野手(22)=中大=の加入に燃えていた。
「やっぱり同じポジションなんで。ライバルだと思うので、切磋琢磨(せっさたくま)というか、そういったところも期待されて入ってきているんで、負けないように練習します」
ルーキーイヤーの今季は1軍では5試合に出場し、9打席で無安打に終わった。即戦力として期待されながら、入団前にふくらはぎを痛めた影響で、2軍キャンプスタート。オープン戦での1軍昇格が濃厚とされながらも、新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱と、ツキにも恵まれなかった。
今度こそと意気込む2023年シーズン。阪神にはD1位で森下という新戦力がやってくる。豊田と同じ神奈川・横浜市出身。3学年下の森下と同時期にプレーしたことはないが、中学時代に所属した戸塚シニア、そして東海大相模高の後輩にあたる。
ともに外野手、そして右打ちと共通点の多い2人は当然、ポジションを争うライバルだ。即戦力としてやってくる森下の方が、一歩リードしているのが現状。ただ、豊田も後れを取るわけにはいかない。今オフは秋季キャンプで手応えをつかんだ打撃を重点的に練習。「水口(1軍打撃コーチ)さんにいろいろ教えてもらって、新しい発見がすごくあった。教えてもらったことを重点的にやっています」。今季の課題は1軍投手の直球に力負けしたこと。バットを振り込み、力強さに磨きをかけていく。
虎でまたつながった豊田と森下の縁。戸塚シニアで両選手を指導した吉島良紀監督(67)は「ポジションもタイプも似ているからね。少し複雑だけど、どちらも頑張って、どちらもレギュラーをとってほしいね」とエールを送った。
来季、阪神の外野陣は中堅・近本は決定的。両翼のレギュラーは空いており、恩師の夢がかなうチャンスはある。互いを高めあう最高のライバルとして-。豊田、森下の2人が、虎を熱く盛り上げていく。(原田遼太郎)
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