後半、ゴールを決める堂安律=ハリファ国際競技場(撮影・村本聡) サッカー・ワールドカップ(W杯)1次リーグE組(1日、日本2-1スペイン、ドーハ)7大会連続7度目の出場となる国際連盟(FIFA)ランキング24位の日本は、同7位のスペインとハリファ国際競技場で対戦。前半に1点を先制されたが、後半3分に堂安、後半6分に田中がゴールを決め、2-1で逆転勝利。勝ち点を6に伸ばしてE組1位での通過を決めた。MF堂安律(24)=フライブルク=は、ドーハの奇跡を必然に変える一撃にビッグマウスを連発した。
誰よりも自分が信じていた一撃で、日本を再び救った。MF堂安が同点弾を振り返った。
「逆になんであそこでフリーだったのかわからないくらいフリーだった。あそこでフリーにすると、堂安律は危ないので」
そう言った後、少し口角を上げてにやりと笑顔を作った。後半の開始からチーム全体で猛然とプレスをかけ、MF伊東がボールを奪取。こぼれ球を拾った堂安の前には、栄光のスペースが出来ていた。迷いなく左足を振り抜き、GKシモンの腕を弾き飛ばした。「それほど(シュートのコースが)コーナーに行っていなかったので、もっとすごいGKと思っていましたけど」と持ち前の大口も熱を帯びた。
23日のドイツ戦でも同点弾を決めて、逆転勝利に貢献した一方、先発した27日のコスタリカ戦は不発。それでも、この試合前には「(ドイツ戦を)奇跡でなく、必然だったと思わせたい」と宣言していた。チームの勝利という〝奇跡〟を必然に変えただけではない。「ドイツ戦のゴールも、ごっつあん(ゴール)だろって声もあったので。それも結果で黙らせることができてよかった」。懐疑的な声も届いていたという自分自身の実力も、この一発で証明した。
ドイツとスペインからW杯で得点した堂安を、止める者はいない。「このグループを突破すれば、僕が大会前から言っていた優勝っていう目標も皆さんが信じてくれると思う」。その勢いで、史上初の8強すらも飛び越えて頂点を目指す。
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