サッカー・ワールドカップ(W杯)1次リーグE組(1日、日本2-1スペイン、ドーハ)7大会連続7度目の出場となる国際連盟(FIFA)ランキング24位の日本は、同7位のスペインとハリファ国際競技場で対戦。前半に1点を先制されたが、後半3分に堂安、後半6分に田中がゴールを決め、一気に逆転した。そのまま2-1で勝利し、勝ち点を6に伸ばしてE組1位での通過を決めた。MF遠藤航(29)=シュツットガルト=は、コスタリカ戦で右膝を痛めて一度も全体練習に合流しなかったものの、後半42分から〝電撃〟出場。その舞台裏を語った。
交代ボードに、予想だにしない「6」が表示される。MF遠藤が試合を締める最終盤のピッチに立った。一度も全体練習をしていない男が、出場の経緯を明かした。
「自分でもびっくりするくらいよくなった。リバウンドも見ますけど、たぶん大丈夫です」
11月27日のコスタリカ戦で右膝を痛め、その日夜に病院へ。28日はホテルで療養し、29日、そして前日の30日も全体練習には加わらなかった。状態の急激な回復を感じたのはその30日。「もしかしたらいける、くらいの感じだった。でも7、8割の状態で先発するくらいなら、ほかの選手に託して、16強の時に100%でできる状態を作った方がいいと思った」。ドクターとは最大45分ならプレーできると話し合い、森保監督はコスタリカ戦未出場でフレッシュなMF田中を先発に起用した。
「1点リードしたら、俺に任せろとずっと言っていた。それをまさか(田中)碧が決めるとは」
後半6分、その田中が折り返しを押し込んでネットを揺らし逆転。押し込まれた最終盤で、満を持して遠藤の出番が回った。少ないプレー時間でしっかり逃げ切りに貢献した遠藤は「逆に俺が出ていたら、あそこに入っていけなかったかもしれない」と殊勲のヒーローになった田中をたたえた。
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