「人も殺す」と公言してしまうアンチ・ヒーロー、ブラックアダム。ロック様のハマリ役です©2022 Warner Bros.Ent.All Rights Reserved TM&©DC 「ワイルド・スピード」シリーズのドウェイン・ジョンソンが〝破壊神〟ブラックアダムにふんして、文字通りの大暴れ。バットマン、スーパーマンに代表されるDCコミックス原作の映画に、超ド級の劇薬が投入されました!
2022年も残すところ、あと1カ月。今年の極私的ベストワンはまたの機会として、最もよくできた予告編は、財宝探しアドベンチャー「アンチャーテッド」でした。
飛行中の輸送機からロープでつながれた大量の積荷とともに放り出された「スパイダーマン」のトム・ホランドが、それに飛び移って機内へ戻ろうとする予告編にひかれて本編を見たら、ヤマ場と思ってたその場面は冒頭に過ぎず、さらにオモロい冒険譚が続いた。
さて、そこで、ロック様がマンガみたいに強すぎる予告を見た春先から「早く見たい!」と願ってた本作。若き宣伝のY嬢に「ロック様?」と首をかしげられ、「D・ジョンソン」と言い直さねば通じませんでしたが。
ザ・ロックが世界最大のプロレス団体WWF(現WWE)を席けんしたのは20年以上前ですからねぇ。01年に俳優デビューし、11年から「ワイルド・スピード」シリーズに加入すると、ハリウッド屈指のスターに。さりとてプロレス好きには今も「ロック様」です。
ましてや、ブラックアダムはアメコミヒーロー版ザ・ロック。ご自身も45年にコミック初登場した破壊神にあこがれ「私のDNAや魂の一部」と表すブラックアダム役を熱望してた。
願いがかない、製作総指揮を兼ねて映画化に取り掛かると、公開までに10年以上。この間、原作ではライバル関係にあるヒーロー、シャザムが映画化された際(19年)にヴィラン(悪役)として登場するプランもありましたが、〝ひとり立ち〟にこだわったそうです。
悪政に虐げられていた古代国家で息子を殺された悲しき過去を背負い、5000年の時を経て現代の小国カーンダックによみがえった、呪われし力を持つ破壊神。〝ちぎっては投げ〟を体現するなんざ、現役レスラー顔負けのマッチョなロック様にしかできません。
ブラックアダムを「人類の敵」とみなしたヒーロー軍団JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)4人衆との抗争を軸にお話が進むにつれて、彼の復活したホントの理由も明らかになっていきます。
正直、JSAの面々にDCの〝宿敵〟マーベル・コミックに出てたようなキャラかぶりがあるのは、なんだかなぁ。
ただ「アベンジャーズ」に続く新シリーズ「エターナルズ」でシリアス路線に深化しそうなマーベルに対し、DCは〝愛される悪玉〟ロック様の投入が吉と出そうな予感。「ワイスピ」シリーズ加入で主演のヴィン・ディーゼルが食われてしまったように、今後の共演があればスーパーマン、バットマンの善玉も圧倒されるかも!?(笹井弘順)
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