会見する森保監督。勝負のときが近づいた。右は権田(撮影・蔵賢斗) W杯カタール大会1次リーグE組最終戦で、世界ランキング24位の日本は12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)にドーハのハリファ国際競技場で同7位のスペインと対戦する。勝てば決勝トーナメント進出が決まり、負ければ敗退となる決戦へ向け、森保一監督(54)は30日に記者会見し「いい準備ができている」と述べた。試合開始から勝負手の3バックで臨む可能性がある。主将のDF吉田麻也(34)=シャルケ=は後半勝負を想定した。
不退転の覚悟で決戦に挑む。勝てば1次リーグ突破が決まるスペインとの最終戦。会見に臨んだ森保監督の目の奥に決意の色がにじんだ。
「この状況を幸せに思う。世界の強豪と真剣勝負で戦えることを喜び、幸せと思って戦いたい。いい準備ができている」
2-1で勝利したドイツとの初戦に続いて、再びW杯優勝国を相手に「ドーハの奇跡」を起こせるか。これまでの2試合は4バックでスタートしたが、試合開始から3バックで臨むことも検討している。この布陣は中盤の両サイドが引いて守ると〝5バック〟になる。森保監督はJ1広島監督時代に、この布陣を使って4年間で3度のリーグ優勝を遂げた。ドイツ戦では後半からの布陣変更が奏功し、逆転勝ちに結びつけている。
1次リーグ初戦でスペインは、4バックで攻めてきたコスタリカから大量7ゴールを奪った。二の舞とならないように日本は〝5バック〟で守備を固めて相手の体力消耗を待ち、反転攻勢に打って出たい。
左もも痛のDF酒井は欠場が確実だが、右もも痛でコスタリカ戦は出場を見送ったDF冨安は先発できるまでに回復。右膝を痛めたMF遠藤は出場が微妙な状況だ。
第1戦は称賛されたものの、自分たちのミスからコスタリカに敗れた第2戦では批判された。
「手のひら返しをされるのは勝負の世界なので、当たり前のこと。称賛も批判も含めて日本国民の皆さんにサッカーに興味を持ってもらい、議論してもらえることをうれしく思う。勇気、元気を感じてもらえるように(選手には)プレーしてほしい」
国民の関心が高まっている大一番は、日本時間の2日午前4時スタート。朝もやの日本列島に歓喜の渦を巻き起こす。(山下幸志朗)
この記事をシェアする