サッカー・日本代表合宿(30日、カタール・ドーハ)W杯カタール大会1次リーグE組の日本は12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)からの第3戦でスペインと対戦する。日本は勝てば2大会連続4度目の決勝トーナメント進出が決まり、引き分けなら他会場の結果次第となる。右もも裏の状態が心配されたDF冨安健洋(24)=アーセナル=は万全を宣言。スペイン攻略へ、プレーのイメージを膨らませた。
その表情には不安も、焦りもなかった。「(痛みは)大丈夫です。いけます。僕たちが持っている力を出し切りたい」。DF冨安の笑顔からは、決戦への準備が整った余裕すら感じられた。
個人としてもチームとしても消化不良の試合を経験した。23日のドイツ戦は後半から出場し、3バックを支える壁として君臨。2-1の逆転勝利を導いた。一方で右もも痛が再び起こり、ベンチで見守ったコスタリカ戦は0-1で敗戦。「コスタリカ戦は、勝ち点1なのか3なのかというところで、僕たちの力を出し切れなかったと外から見て思った。逆にスペイン戦ははっきりしている」と、苦戦を糧に勝利を目指す。
対スペインのシミュレーションを急速に進める。「世界的に見ても難しい相手。クオリティーも持っていますし、サッカーを知っている。感覚というか、小さいときからサッカーの本質や構造を知っている選手が多い」。最大級の敬意を示しつつ、個別のプレーで上回る策を練る。
鍵のひとつは、スペインがボールを奪われた後、日本に襲い掛かってくる猛烈なプレスをどうかわすか。「即時奪回はスペインの長所」と語る冨安は「ボールが来る前に、見ずともどこが空いてるか感じておく必要が必要」と解決策を想定する。
さらに「前線にスピードのある選手たちがいるので、シンプルに裏に落とす。滞空時間が長いボールは僕がDFのときも嫌ですし、ラインを止める傾向もあるので、ボールを置いておけば後から追いつける選手たちがいる」とキックの質にもこだわり、相手を裏返すプランを語った。
相手がボール保持を進める展開も想定される中で、重みが増すのがセットプレー。「コーナーキックが1本しかないかもしれない。1本目から100%で飛び込む。(ボールが来ると)信じることを大事にしてやりたい」と力を込める。DFラインの並びは「何でやるかわからない。3枚か4枚か、5なのか、6かもしれないし」と笑ってかわしたが、「やるべきことははっきりしている。練習で取り組んだことをピッチ上で発揮できれば」と対策がまとまったことを思わせた。
「本当に、決勝トーナメント1回戦のつもりでやれればいい」。難敵を相手に、今の全てをぶつける。
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