追いかけるようにヤクルトにやってくる。即戦力として期待されるドラフト1位指名・吉村貢司郎投手(24)=東芝。国学院大時代の1学年先輩には今季セットアッパーとして50試合に出場した清水昇投手(26)がいる。
2人とも東京都出身。家は近所で年始にはよく2人で初詣がてら近くの神社まで走りに行っていた。吉村は「プロに行くのはああいった選手なんだなと感じた。打者に対する気迫や制球力は抜群。野球に対しての向き合い方など本当に勉強になる」と尊敬のまなざしを向ける。
そのまなざしは高校時代から向けている。帝京高出身の清水が3年時の夏の東東京大会決勝は神宮球場で生観戦。惜しくも敗れたが、気迫の投球を目に焼き付けて、目標の存在となっていた。その翌年の甲子園大会をかけた決勝では吉村が神宮のマウンドへ。オコエ瑠偉(現楽天)を擁した関東第一高に敗れたが、夏の活躍があったからこそ同じ国学院大への進学の道ができた。
4年遅れて同じドラフト1位で指名された後にはLINEで連絡。清水からは「よかったな」と返信が来て喜んでくれた。吉村は「また同じチームでやれる。先輩の背中を見て頑張っていきたい」と意気込む。
日本一奪還へ、先発陣の強化は必要不可欠。吉村はそこに割って入る活躍が期待されている。最速153キロを誇る右腕で、強気の投球が持ち味。指名後に開催された社会人日本選手権では8強まで進み、エースとして全3試合で救援登板。計8回を投げ3安打無失点で13三振を奪い、高い実力をみせた。
1年目の目標には「新人王」を掲げる。「開幕ローテーションを目指して頑張っていきたい。少しでも長くプロ野球で活躍してやっていけるようにしたい」。後ろを担う清水との国学院大リレーも見られるだろう。燕の将来を支えるべく、楽しみな新戦力が加入する。(森祥太郎)
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