■11月30日 サッカーW杯の交代枠は今大会から2人増えて5人になった。岸田文雄内閣の閣僚も既に3人の交代枠を使ったが、サッカーのように勢いのある新手が出るならともかく、寺田稔氏に代わって就任し「緊張感をもって取り組む」といったはずの松本剛明新総務相は参院本会議で早速居眠り。「目を細める癖がある」の言い訳にはあきれる。
交代選手にもいきなり足を引っ張られた。サッカーとは逆に交代カードは切れば切るほど政権は弱体化するのに、4人目も急速に浮上してきた。「政治とカネ」の問題などで野党の追及を受けている秋葉賢也復興相が、被災地福島の視察を取りやめたことで衆院予算委で集中砲火を浴びた。
「国会でいろいろな質問が集中したことから国会審議で丁寧に説明する必要がある」が理由だった。国会答弁でボロを出さないように理論武装したらしい。「知恵を出さないやつは助けない」など宮城、福島両県知事に対する松本龍初代復興相の暴言もひどかったが、復興よりわが身優先では大臣には値しない。
旧統一教会の関連団体に会費2万4000円を支出していた疑惑も浮上。極めつけは昨年の衆院選での影武者問題だ。3人息子のうち最も〝父親似〟という次男が「少しでも力になりたい」と秋葉氏の名前を記載したタスキをかけ街頭に立ったとか。タスキには小さく「次男」と入っていたというからまるで漫画だ。
岸田首相は「説明責任を果たすことに全力で取り組んでもらいたい」と野党の更迭要求を拒否したが、これまでの3人の更迭は判断が遅れ傷口を広げた。4人目のカードは切らずに逃げ切るのか。12月10日のタイムアップ(会期末)が見えてはきたが…。(今村忠)
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