【ノーサイドの精神】
ラグビー・リーグワンの2季目は12月17日に開幕する。今季、2部の三重ホンダヒートに所属するWTB/FB藤田慶和(29)は「結果を残さないといけない。ファンともつながって全員で1部昇格を目指したい」と力を込める。
11月28日、藤田は東京都内で開かれたリーグ開幕直前の記者会見に出席した。そこでサッカーW杯カタール大会で、同23日に日本がドイツから大金星(○2―1)を奪った歴史に残る試合を引き合いに出した。「心を動かされた。興奮でなかなか寝られなかった」と刺激を受けた様子で、「1試合1試合、皆さんを驚かせられるような試合を」と意気込んだ。
京都市出身。東福岡高、早大とラグビーの名門校で早くから注目されてきた。2015年のW杯イングランド大会で日本代表に選ばれ、21年夏には7人制で東京五輪に出場した。だが昨季は1部初代王者の埼玉ワイルドナイツで出場1試合にとどまった。シーズン終了後に熟考した上で「心機一転」と三重への移籍を決断した。
チームは昨季、2部2位で1部との入れ替え戦に挑むも昇格を逃した。「勝負どころで勝ち切るところが昇格へのポイント」と、プレッシャーがかかる中での精度の高い遂行力の重要性を強調した。
「ラグビーに打ち込めるいい環境。若い選手も育っている。経験のある選手と一緒に、さらにのばしていければ」
12月17日のリーグ開幕戦は浦安D-Rocksが相手。藤田は「ホームで、チケットはほぼ完売と聞いている。三重が熱くなる日。勝利でいいスタートダッシュを切れるように」。新天地でグラウンドを駆け回り、三重ホンダヒートの1部昇格をかなえる。(石井文敏)
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