日本相撲協会は30日、福岡国際センターで来年1月の初場所(8日初日、両国国技館)の番付編成会議を開き、協会が定めた新型コロナウイルス対策のガイドライン違反のため6場所出場停止処分を受けた元大関朝乃山(28)=高砂=の6場所ぶりの十両復帰が決まった。大関経験者が幕下以下に転落後、関取に戻るのは横綱照ノ富士に次いで2人目。新十両昇進は湘南乃海(24)=高田川=1人だった。
大銀杏(おおいちょう)を結った、見慣れた姿が戻ってくる。朝乃山が6場所ぶりの十両返り咲きを決め、協会を通じた短いコメントに決意をにじませた。
「再び十両に昇進させていただき、素直にうれしく思います。支えてくださる方々への感謝の気持ちを忘れず、これからも日々精進してまいります」
朝乃山は令和3年初場所から5月の夏場所にかけ、外出禁止期間中にキャバクラに通ったことなどが発覚。虚偽の報告もあり、昨年7月の名古屋場所から出場停止となった。今年の同場所で三段目から復帰。11月の九州場所は東幕下4枚目で6勝1敗だった。
元大関の故郷、朝乃山富山後援会・青木仁理事長(45)は再十両を考慮し、祝福の化粧まわしや締め込みを贈る予定はないという。「喜ばしいが、関取として0からのスタート。ここからが再出発。むしろ引き締めてほしい」。九州場所中に本人と直接会い、こうした思いを直接伝えた。
後援会に所属する複数の地元企業には来年初場所の応援ツアーを再開する動きもある。1場所7番しか取らない幕下以下では取組発表からの時間が短く、日程が組みにくかった。初場所の朝乃山劇場は15日間。〝ロングラン〟で盛り上げる。(奥村展也)
■朝乃山(あさのやま=本名石橋広暉)富山市出身、高砂部屋。近大から16年春場所に三段目100枚目格付け出しで初土俵。17年春場所新十両。19年夏場所で平幕優勝。20年春場所後に大関昇進。新型コロナウイルス対策の指針違反で21年名古屋場所から6場所出場停止処分。優勝1回。殊勲賞2回、敢闘賞3回、技能賞1回。得意は押し、右四つ、寄り。189センチ、171キロ。28歳。
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