凜々しい表情で練習に臨んだ堂安。強い決意を示した(撮影・蔵賢斗) サッカー日本代表は29日、勝てば決勝トーナメント進出が決まる12月1日午後10時(日本時間2日午前4時)開始のスペインとの1次リーグE組最終戦に向け、ドーハで練習を行った。MF堂安律(24)=フライブルク=はオンラインで取材に応じ、「奇跡を必然に変える」と打倒スペインを宣言。日本サッカーの行く末が懸かる大一番と位置づけ、ドイツ戦に続く大金星を目指す。
奇跡も悲劇も全て受け入れて、俺が必然に変えてやる。一人で背負うには大きすぎる覚悟。今のMF堂安にしか口にできない言葉だった。
「最高の状況。日本時間では朝4時で、難しい(時間)ですけど、こんなおいしい状況、日本の国民なら見てくれるはず。(ドイツ戦が)奇跡じゃなく、必然だったと思わせたい」
勝てば突破。負ければ敗退。勝利から敗北へのジェットコースターを経験し、日本代表が置かれた状況はグッとシンプルになった。相手は昨夏の東京五輪でも準決勝で苦杯をなめさせられたスペイン。強敵に違いない。だが堂安は「同じ相手に、1年で2回も負けられない」と逆襲を見据える。
自分やチームのためだけではない。「日本サッカーのため」という信念を貫く。19歳で欧州に渡った堂安にとって、オランダやドイツのサッカー人気はまぶしく見えた。2017年からトレーニングで師事する法大の杉本龍勇教授からは「ちゃんとした立ち振る舞いをしないと、スポーツの価値は上がらない」と言われてきた。今年4月には兄の憂さんとともに、地元の兵庫・尼崎でサッカースクールを立ち上げた。世界で戦いながら、日本サッカーのためにできることを考えてきた。
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