明治神宮野球大会の大学の部は明大(東京六大学)が6年ぶり7度目の優勝を飾り、幕を閉じた。大会期間中、13年連続でドラフト指名選手を出した明大の3年生部員がスカウトから熱視線を浴びていたのは当然だ。
最も注目されていたのは4番・上田希由翔内野手(3年、愛産大三河)だった。1年春デビューで通算50打点、打率・301、6本塁打。この秋は三塁で1失策、一塁、外野を守れ、現在66安打で来年通算100安打突破も視野に入る右投げ左打ち野手だ。
その上田以外に、このオフから春へかけての飛翔が期待されているのは村田賢一投手(3年、春日部共栄)と蒔田稔投手(3年、九州学院)の両右腕だ。
かつて明大の先輩投手、柳裕也(中日D1位)と星知弥(ヤクルトD2位)の2017年入団組、森下暢仁(広島D1位)と伊勢大夢(DeNAのD3位)の2020年入団組のような競い合いで〝最上級生の充実〟がまた見られるかもしれないという期待があるからだ。
実際に2016年秋の明治神宮大会優勝、2019年全日本大学選手権制覇の力になっていた。星、伊勢はともに、明大のエース番号である『11』にふさわしい同期の投手が主将として『10』を背負うことによって、首脳陣の期待を込めて『11』が与えられた。その星、伊勢に技術、戦術的面以外の精神的な成長があってこその日本一達成だった。
村田と蒔田が『10』と『11』の関係になるかは、来春の開幕までわからないが、掲げられる『人間力野球』のもと、まず社会に出て役立つ人間であるべきことが求められ、自己を磨く。練習、学業、私生活から模範となる学生として4年間を過ごす中でのドラフトロードになるだろう。(アマチュア野球取材班・赤堀宏幸)
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