新宿の高層ビルを背にキャッチボールするイチロー氏。今年も高校球児の指導が実現した(代表撮影) 日米通算4367安打を記録したイチロー氏(49)=マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター=が27日、東京・新宿区の都立新宿高で臨時指導を行った。同氏が高校球児を指導するのは2020年の智弁和歌山に始まり、国学院久我山(東京)、千葉明徳、高松商(香川)に続き5校目。指導は前日26日と合わせて約7時間に及んだ。
「僕個人の興味で来ました」とまずはあいさつ。JR新宿駅から徒歩5分。新宿御苑に隣接し、大都会のど真ん中に位置する同高のグラウンドは新宿のランドマークであるドコモタワー、新宿高島屋の入るタイムズスクエアが眼前に広がり、「都会だー」と第一声。「今まで(指導してきた高校)にない空気が流れている。甲子園に行ったら、めちゃくちゃ面白いよ」と感嘆した。
指導を終え、あいさつするするイチロー氏=都立新宿高校(代表撮影)今夏の東東京大会で23年ぶりに4回戦進出(秋季東京大会は1次予選敗退)を果たした同高は都内屈指の進学校で、平日の練習時間は午後3時~4時30分。さらにグラウンドは両翼90メートル、中堅65メートルという三角形の変則型と環境は決して恵まれない。それでも、各選手が2018年から出身小学校に出向いて野球教室を開催する姿に感銘を受けての訪問となった。
最後には「昨日、今日だけで劇的に変われた。みんな、ちゃんとやってよ。勉強も頑張って」と締めた。
◆都立新宿高・田久保裕之監督(41) 「イチローさんは野球小僧だった。頂点を極めた人がいまだに〝野球が好きだ〟という顔をされていた。ウチの部員に足りないものを身をもって見せていただいた」
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