優勝決定巴戦 優勝賜杯を受け取る阿炎=福岡国際センター(撮影・安部光翁) ■11月28日 晩秋の日曜日。夕方から夜遅くまで片時もテレビの前から離れられなかった人も多かったろう。平成6年春場所以来、28年ぶりの3力士による優勝決定巴戦を阿炎が制した大相撲九州場所の千秋楽。それが前座なら真打ちはサッカーW杯の日本対コスタリカ。夕食どき。晩酌派はさぞピッチも上がったろう。
いずれの結果もニュース面にお任せするとして、混戦でそれなりに面白かった相撲からは歓迎されざる事態も生じた。かど番大関正代が負け越して陥落、関脇御嶽海も大関復帰の10勝に届かなかった。来年初場所は照ノ富士、貴景勝の1横綱1大関で明治31(1898)年1月の春場所以来125年ぶりとか。
それも九州場所を全休した照ノ富士は初場所も出場は難しいようだ。新年早々大関1人なら寂しすぎる。「朝乃山がいたら」との嘆き節も聞こえそうだ。ガイドライン違反で噓の申告をして1年出場停止処分になり大関を陥落し大きく回り道している。噓は最悪だが、今となっては厳しすぎたペナルティーを協会は後悔しているかも。
前座のネタが125年ぶりなら、日本でサッカーが始まるきっかけは安政4(1858)年に英米仏などと結んだ修好通商条約とされる。横浜などの居留地で外国人がフットボールを楽しんだ。以来160年余。『令和4年のフットボール』は強敵ドイツを倒し、世の中の空気を一変させるほどのインパクトをもたらした。
これまでのサッカー中継の最高視聴率は02年日韓W杯のロシア戦の66・1%(ビデオリサーチ調べ)。絶好の時間帯にコスタリカ戦を中継したテレビ朝日は「50%超え」を宣言したが、果たして…。この結果も興味津々ではある。(今村忠)
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