東京を一望できるホテルで取材に応じたサラ。秋晴れの風景に「Beautiful」と感激し、日本の四季を堪能していた=東京都内
ギャラリーページで見る英ソプラノ歌手、サラ・ブライトマン(62)が自身初となる世界クリスマスツアーの日本公演を展開中だ。3年ぶりの来日公演では世界的ヒット曲「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」などを熱唱。日本では2002年のサッカーW杯日韓大会などを盛り上げた「クエスチョン・オブ・オナー」でも知られ、音楽とスポーツによる平和貢献を誓いながら、「楽しさだけでなく、悲しみにも寄り添える歌を届けたい」と決意していた。(ペン・山内倫貴、カメラ・斎藤浩一)
東京都内のホテルで取材に応じたサラは穏やかな笑顔で「Hello」とあいさつ。空路で来日した際は雪化粧の富士山が見えたと通訳を介して報告し、「Very beautiful」と興奮した。
3オクターブの音域を誇る世界的アーティストで、1996年発売の「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」などが大ヒット。日本でもNHK紅白歌合戦に出場するなどおなじみの存在だ。
好きな日本食を聞くと、「何を食べたらいい?」とユーモラスに逆質問。納豆を勧めると、「私も大好き」と答え、「TORORO My favorite」と同じ〝ねばねば系〟のとろろも好物と告白。「卵やのりをつけて、おしょうゆをかけて…栄養価も高いしね」と日本食通ぶりでうならせた。
今回は世界クリスマスツアーの一環で3年ぶりの来日公演。日本公演は24日から始まり、紅白などでも共演したX JAPANのYOSHIKIも出演した。
ツアーのきっかけは2020年12月、コロナ禍のロンドンで開催したクリスマスをテーマにした自身初の配信ライブ。閉塞感の中、「クリスマスは家族や自分にとって大切な時間」と温かな気持ちを込め、歌を届けた。
大好評の配信を受け、ツアーが実現し、昨年11月に米国からスタート。紛争や分断が絶えない世界情勢にも思いをはせ「悲しいクリスマスを過ごす人もたくさんいる。楽しいだけでなく、悲しみにも寄り添い、その先にはよい未来があるということを伝えたい」と力強く約束した。
1976年に16歳で音楽活動を開始し、キャリアは46年。歌は幼少期から大好きで、「学校では歌うことが苦手な子供もいたけど、私は自然に楽しく歌えた」と天職を強調。音楽シーンではクラシックとポップスを融合したクラシカル・クロスオーバーの先駆者で、米ビルボードのダンス、クラシックのチャートで同時に1位を獲得した唯一の歌手でもある。輝かしいキャリアだが、「苦悩はある?」と聞くと、意外にも「Many times」と葛藤を明かした。
この記事をシェアする