2004年の新入団発表会見に紺色のネクタイを締めて出席した岡田監督㊦ 25日は、岡田監督65歳の誕生日でした。
「思い出すのは、紺色のネクタイやなあ」
ビヤ樽編集委員三木建次は、岡田監督と似た修辞学の持ち主です。岡田監督の誕生日の話題を振ると、「紺色のネクタイ」という、すぐには何のことかわからないワードが返ってきました。
「村山さんたちが、ネクタイをプレゼントしていたんや。それを岡田監督が必ず、すぐに締めていたから」
これまた短い。ナンノコッチャ? 補足します。「村山さん」は村山久代さん。球団初の女性管理職として広報担当課長を務めた方です。各社の歴代のトラ番も大変お世話になり、定年退職された今年7月には、球団と報道関係者が全面協力して、甲子園球場で村山さんを「送る会」が開催されています。
前回の岡田監督時代に、その村山さんら球団の女性職員がお金を出し合ってネクタイを誕生日プレゼントとして贈るのが恒例になっていたのだそうです。これをどうしてビヤ樽が知ったのか。なぜ印象深く覚えているのか。例年、12月初旬に新入団選手の入団発表会見があります。金屏風の前に選手が勢ぞろいして会見し、監督を中心に記念撮影をするあの晴れ舞台に、岡田監督が贈られたネクタイを必ず締めて出ていたからです。
「あ、私たちが贈ったネクタイをしてくれてはる」
2004年12月、ドラフト1位の能見らの新入団選手の発表会見を取材中、その場に立ち会っていた村山さんのつぶやきをビヤ樽は聞き逃しませんでした(というか、美人広報の動向をいつも気にしていたからだと思いますが)。発表会見後の取材では「監督、きょうのその紺色のネクタイ、格好いいすね」と、記事には直接関係のない質問もしていました。
「おう、これか。これはな、オリーブたちがプレゼントしてくれたんや」
オリーブは、村山さんに岡田監督が付けた愛称です。ちなみに三木に「ビヤ樽」というあだ名を付けたのも岡田監督です。
「さすがやなと思った。新入団選手の発表会見のときはみんなでポーズを取る写真が必ず新聞に載るやん。テレビでも映像が全国に流れる。そういうときに、もらったネクタイをお披露目する。口調はぶっきらぼうやけど、ああいう気配りを忘れない人。見習わなあかんと思うたわ」
村山さんら女性職員が感激して喜んでいたことで、そうした気配りが余計に印象に残っているのだそうです。
25日は、プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS 2022 supported by リポビタンD」が東京都内で行われました。阪神からは、最多勝、最優秀防御率、最高勝率の3冠に輝き、ベストナインにも選ばれた青柳、最優秀中継ぎの湯浅、最多盗塁とベストナインの近本、ベストナインの中野の4選手が出席。ファーム表彰式には、2軍監督としてウエスタンで優勝に導いた平田現ヘッドコーチ、優秀選手賞を受賞した桐敷、最優秀防御率と最多勝率の2冠を獲得した村上、最多勝利投手賞の秋山、最多セーブ賞の二保が出席しました。
来年はアレして、もっともっと大量に表彰者を送り込みましょう。それが、岡田監督への一番の誕生日プレゼントにもなります。
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